コラム
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毎年一度の決算が、ギリギリでいいわけがない!
毎年一度必ずやってくるもの、それは個人であるならば、「誕生日」と言われることもありましょう。夫婦円満なご家庭ならば「結婚記念日」ということになるでしょうか。 税理士事務所の場合、毎年一度必ずやるというと、「決算と申告」があります。また、個人の確定申告でしょうか。会社の決算や個人事業主さんの決算が終わり、「決算報告会」を設ける時間をお客様には作っていただいています。 お客様には、年々社業が発展していっていただきたいと思っています。そのためには、まず現状を的確に把握することです。当期の売上はなぜ増えたのか、売上が、低迷しているのはなぜか、売上が減っているのはなぜなのか、その変化の要因がどこにあるのか振り返ります。「現状の売上をみると、どこが課題として浮かび上がっているのか」を考えていただくことです。 それに対して、どんな手を打っていくのかを」考えなければなりません。その一手は、年々変わっていくものではないでしょうか。やはり、事業環境は、年々変化していきます。担い手も変化し、技術も変化していくのですから、同じことをやり続けて、成功し続けるのは無理であると私は思います。 スタッフにも私は言っています。毎年来る決算申告で、同じことに終始せず、お客様に関して、何か新しいご提案ができるように、アンテナを張る、勉強し続けるということを意識して欲しいと。 今日は、確定申告期限ですね。さらに消費税の申告については、3月31日までとなっているのですが、こんなに遅くに提出するのは、全くお勧めできません。すでに、12月末日から2ヶ月半ですよね。それなのに、まだ5年の出来事をやっているのですか?スタートダッシュできていないということになりませんかね。 経理は、他人任せにせず、自分で処理することが大事であり、タイムリーに業績を把握するというのは、競争に打ち勝つことにもつながっていくのではないでしょうか。「継続して、正しく記帳し」、正しい決算書を作成するお手伝いを私たちはしています。 タイムリーで適正な「会計」は、会社を強くします。経理を軽視した会社は長続きしません。皆様の企業発展のお手伝いをさせていただきますので、よろしくお願い致します。
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金融機関から新規借入する時、まず考慮すべきは?
税理士は、税金と会計及び会社に関して一部法律の専門家であるとともに、「経営」に関するアドバイザーとしての仕事をしています。 経営のポイントとしては、「資金」をうまく回す、もうけを生む、「投下資本」をより大きくさせるということが考えられます。「資金」をうまく回すために、すなわち資金繰りよい経営をするために、苦心されている経営者はとても多く感じます。その原因は、借入しすぎていることにあるように思えます。借入については、返済計画に従って、金融機関との約束通りに返済していかなければなりません。貸しますよという金融機関の甘い言葉に乗って融資を受けてしまって、返済困難に陥ってしまうことも多いのです。高金利で貸している業者が、「ご利用は計画的に」というメッセージを宣伝していますが、高金利とは言えなくても、いずれ返済をしていく必要がある借入金です。慎重に、計画を立てて借りていただきたいものです。 まず第一点、「何のために借りる」のでしょうか?これを明確にしましょう。事業の「設備資金」としてでしょうか。短期的に「運転資金」が不足するから、その補填を目的とするものでしょうか。それとも、資金不足を補填するためでしょうか。 大いに売り上げ拡大→利益増大が見込めるのであれば、資金調達の一手法として新規借入もありえます。ただし、資金不足補填のためという目的では、借入は最後の手段として、万策が尽きた時の手法と考えるべきだと思っています。 資金補填ということならば、次のことを実行してみましょう。 1.必要以上に在庫をかかえていませんか?適正在庫の水準を見直しましょう。適正在庫水準になるまで、仕入れをストップする、営業努力をすることです。 2.売掛金の回収について、回収が進んでいないものはありませんか?回収努力をしていきましょう。 3.加入する生命保険などで、契約者借入を利用できるものはありませんか?比較的早く、資金調達をさせてくれますので、一時的な資金調達ということならば、利息も大きくないので勧められます。 4.活用率の低い固定資産はありませんか?売却可能であれば、売却によって資金を作りましょう。 5.支払いを延期してもらうことが可能なものがあれば、お願いしてみましょう。もちろん、数次の支払い延期は、取引先の信頼を損ねるものであるので、できるだけ避けるべきです。 上記の手段とともに、不必要な支出をしていないかを確認することも同時に行うことでしょう。 基本的には、企業規模を大きくするのに、借入を利用するということです。利益の積み上げ分、つまり自己資金だけでは、「投資の好機」を逃してしまうという場合であります。 なお、私は原則として、「投資用不動産」などを金融機関から借入することによって購入することは勧めません。国内に限れば、日本の総人口は右肩下がりであり、土地が大きく値上がりすることは考えにくいからです。新築建物も、中古となれば、評価は大きく下がります。不動産投資で、その時価が大きく下がってしまい、売るに売れなくなったという話はよく聞きます。 金融機関から多額に借入する前に、財務の専門家でもあり、金融機関からも独立した第三者である税理士にも相談しましょう!
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名フィルを称賛する
東海地区で最も歴史ある管弦楽団であり、著名なオーケストラと言うと間違いなく名古屋フィルハーモニー交響楽団(名フィル)でしょう。このオーケストラの技量がとてつもなくすごいということは、やはりないのかなあと思います。昨年聴いたチェコ・フィルやドレスデンと比較すると、音だけではなく、その見た目の華やかさも圧倒的に違う感じがいたします。地元の最も聴いているオーケストラですから、負けてほしくはないのです。しかし、いかんせん西洋音楽が日本に伝わってきて150年程度ということもあるからでしょう。日常的にクラシック音楽に接する機会があり、さらには3倍以上の歴史もある欧州とは全く環境が違うということなのでしょう。 しかし、我が地方のオーケストラの雄である名フィルです。非常に先進的な取り組みをされ、チラシや演奏会プログラムのデザインセンスも良いと思っています。私にとっては愛する「我が地方の名門オーケストラ」です。 まず、音楽監督に選ばれた川瀬賢太郎氏が好きです。まだ40歳そこそこの年齢で、今後がとても楽しみです。2月定期演奏会は、彼が指揮をしましたが、全演奏曲が、日本人作曲の作品が演奏されました。今まで聴いてきた演奏会では、プログラムのほんの一部にしか日本人の作品は取り上げられず、全く日本人の作品なしというのもまた当然という感じでした。いかにも挑戦的ではないでしょうか。2月の平日夜ということもあってか、市民会館の音響が嫌いという方が多いからか分かりませんが、お客様の入りが芳しくなかったのですが、勇気あるプログラムをやってのけた川瀬監督に敬意を表します。プログラム最後が、外山雄三さんの「管弦楽のためのラプソディ」であったのですが、名フィルが奏でる八木節に合わせて指揮の川瀬さんは、ダンスするかのような指揮をされたり、その前の部分では、尺八をほうふつさせるフルート奏者富久田さんの独奏が印象深く、拍子木の華々しくけたたましい音で始まる冒頭部は、賑やかな日本の祭りを想起させてくれました。こんな日本独特のムードがある曲が世界でも取り上げられるといいがなあと感じさせてくれました。 外山雄三氏は、名フィル草創期の指揮者でもありました。よくテレビでは、外山さんをお見掛けしたと思います。彼の代表作である「管弦楽のためのラプソディ」は、長く愛され続ける日本人作品になるでしょう。できれば、東ヨーロッパのコダーイ、バルトークの作品とも並び称されるようになってほしい作品です。 また、この日の演奏会でのスペシャルゲストは、ピアノ独奏に、作曲もされる小曽根真氏でしょう。「もがみ」と題されたピアノ協奏曲、日本的風情もたっぷり漂わせながら、小曽根氏お得意のジャズの要素も含まれていて、打楽器も数多く、電子オルガンも用いて、大変現代的でもあって。かといって、その形式、音の雰囲気は、フランスの作曲家ラヴェルの協奏曲にも似ていたんです。まさに、和洋ジャンルごちゃまぜ感がある作品。お名前は、たびたび見かけていましたが、やはり素晴らしい音楽家と言えると思います。こうしたすごい音楽家に出会えるきっかけを多く提供してくれるのが、名フィルの定期演奏会ですね。 川瀬監督は、次の4月から始まる新シーズンプログラムにおいて、市民会館のシリーズは、「和洋混交」と題して、毎回の演奏会で、日本人作品を取り上げてくれるようです。以前からも監督は日本人作品を意欲的に取り上げて演奏していましたが、いよいよ川瀬カラーをより強く発揮してきた感じがしますね。 大いに満足して、帰路につく私ですが、座席に帽子を忘れてしまったことに気が付きました。そのことを、会場の係りの方に言うと、「席の位置を確認しますので、チケットを見せてください」と言われました。チケットを差し出すと、会場に探しに行ってくださり、帽子を見つけてくださいました。さほど待たなかったと思います。迅速に対応していただけたスタッフに感謝でした。 帰り際に、大勢のスタッフの方々が、能登半島地震への義援金を呼び掛けていました。こんないい音楽を心地よい気持ちで聴けて「感謝の気持ち」をもって、寄付をさせていただきました。東日本大震災の際には、指揮者である小林研一郎さんが、募金をよびかけていらして、募金をさせていただくと、「いつもの満面の笑み」をもってお礼を言われたのを記憶しています。音楽は、心を浄化させてくれます。能登半島地震で、被災された方々に早くいつもの日常生活が戻ってくることをお祈り申し上げます。
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追悼、小澤征爾さん
クラシック音楽界に大きな業績を残された小澤征爾さんが亡くなられた。ずっと指揮台に立たれない状態であり、85歳も過ぎておられたので、その死は覚悟はしていました。クラシック音楽LPを購入し始めた時というと、中学校の頃でした。そのLPの中に小澤征爾さんの指揮というのは、数多くはなかったように思います。ボストン交響楽団を指揮したマーラー作曲交響曲第1番、これが私と小澤さんの奏でる音楽との初めての出会いでありました。すでに日本でも名声は大きくなってました。第一楽章の瑞々しい雰囲気、第四楽章の大迫力、マーラーの交響曲の魅力に触れた初めてのアルバムでした。アメリカのメジャー管弦楽団のボストン交響楽団音楽監督にまで抜擢されたことに誇らしく思ったものでした。ボストン交響楽団との録音は、数多く出され、高校生まではLPを通して小澤さんの音楽に触れ、大学からはCDを通じて小澤さんの音楽を味わいました。 ボストン交響楽団のあとは、ウィーン国立歌劇場の音楽監督も歴任されておられました。歌劇場の音楽監督就任前に、長野県松本市で、音楽祭を立ち上げられ、国内外の精鋭となった斎藤秀雄氏の指導を受けた音楽家が一堂に会してオーケストラ演奏会、オペラ公演を中心に行う松本市の夏の風物詩として定着してきたようでした。その松本での「サイトウキネンフェスティバル」を知ったのは、松本の音楽祭が開始されて20年近く経ってからでした。 夏の終わりに訪れる松本は、カラッとした空気感があって、過ごしやすいところであるなあと感じたものです。そして、オペラの公演があるまつもと市民芸術館の優雅な雰囲気、ゆるやかにのぼっていくレッドカーペットの幅広のメイン通路、劇場空間の美しさとすべてにおいて美しさにあふれ、超一流の芸術に触れるにふさわしい空間でした。大都市でもない松本という地方の一都市で、こんなに素晴らしい劇場を持てるのはすごいと思わされました。松本の地で、小澤さんが指揮されるオペラ3公演、声楽付きの管弦楽作品1公演の4公演を鑑賞できたのは大変幸せなことでした。 チャイコフスキー作曲「スペードの女王」、ヤナーチェク作曲「利口な女狐の物語」、リヒャルト・シュトラウス作曲「サロメ」、ブリテン作曲「戦争レクイエム」といずれも超一流の歌手を集め、日本でも最高峰の合唱団が出演し、児童合唱は、オーディションで選ばれた児童が出演していたのですが、国際音楽祭にふさわしい音楽、舞台と言えました。 オペラですと、指揮者は一段下の位置から指揮するため、あまり小澤さんの指揮をじっくり見られる感じではないのです。しかし、最後に鑑賞した戦争レクイエムは、通常の指揮台からの指揮でした。ですから、小澤さんの後姿をじっくりと見つつ聴かせていただきました。とても難解な音楽ではありますが、いつものように譜面を頭に入れて、暗譜で指揮される小澤さんの姿がありました。若いころの指揮棒を持った姿でなく、指揮棒を持たずに、手だけで指揮されるそのころの小澤さんの姿でした。さほど近い席ではなかったので、十分に指揮される表情は、分からなかったのですが、「レクイエム」ということで、静かに終わっていくエンディングに、まさに戦争で犠牲になった人々を悼む姿を見る思いがしました。小澤さんが、最後の音を切って音がすーっとホールに消えていったのですが、小澤さんは、手をおろさずに無音が十秒程度はあったように思われました。その「静粛さ、厳粛な空間」もまた印象的であり、今でもその瞬間の記憶は残っています。そのあと、作曲者自身のブリテン指揮による戦争レクイエムを聴いて、車で帰ったことを記憶しています。 調べてみると2009年のことであったようですね。今から15年も前でしたか。私が、まだ代表就任前の頃でしたか。現在は、セイジオザワ松本フェスティバルと名前を変えて行われていましたが、これからも、ずっと長く小澤さんの名前を冠した音楽祭が続いていくことを願っております。そう、小澤さんに影響を受け、小澤さんが評価した音楽家が後を継いでいただけますように。再び、松本の夏に、一流の音楽を一流の会場で味わえることを楽しみにしています。
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「仕事効率化」と「確定申告」はデジタルで!!
例年のこの時期に、「確定申告期真っ只中ということで、会計事務所は残業多くて大変じゃないですか?」という声がよく聞かれます。 そうかもしれませんが、かなり状況は改善されてきたように思えます。確かに、申告書の作成枚数は2月、3月多くなります。私も、毎年目を通す確定申告書の枚数は、200枚程度はあります。しかし、近年は税務署に提出するべき添付書類も減りました。提出方法も私どもは、ほとんどが「電子申告」です。紙で印刷して提出することがなくなったので、大きく時間を削減できるようになりました。申告書を電子申告した後、「添付書類」を以前は紙を郵送していましたが、現在は電子化したもので良いとされ、「PDF化」して、確定申告書に付けて送っていますので、郵送する手間と郵便料金が省けています。さらに私どもは、紙での保存から、電子化しての保存に変更しつつあります。紙での保存スペースを削減し、情報の検索を容易にして業務効率を増進させるのが目的です。 手書きの資料がほとんどなくなりました。「手書きは特別感があっていい」ということも言われるようになりました。しかし、「特別感」を強調する必要がない時には、ワープロソフトを使ったタイプ印字が良いのです。「読みやすい、訂正しやすい、保存しやすい」といいことばかりだからです。 さて、確定申告のやり方を考えてみましょう。私どもに確定申告を依頼されるお客様は、作成する手間(調べる時間、記入して提出する時間など)と報酬として支払う料金を天秤にかけておられるかもしれません。正しいことです。 現在、所得税の申告手引きを読みながら、確定申告書を手書きされる方が一定数おられるようですが、パソコンやスマホを活用してみませんか。 「スマホで確定申告」と国税庁は、宣伝しています。『スマホとマイナンバーカード』で、確定申告ができるのです。画期的だと思います。 私も、今年はスマホで確定申告書を作成して送信しました。そして、クレジットカードで納付しました。スマホは、画面が小さいのが難点ですが、スペースをとられないのがいいのです。以前は、「電子証明書」「カードリーダ」が必要でパソコンでしかできなかったのです。大きく改良されています。国税庁のホームページの「確定申告書作成コーナー」で、申告書は作成できます。作成コーナーのいいところは、数字を正しく入力していれば、勝手に計算して税額の計算までやってくれることです。その中で、分からない用語が出てきたら、手引きを調べるなどすれば良いでしょう。 分からない、不安な場所は、税理士との顧問契約があるならば事務所にお問い合わせください。自分の収入、自分の家庭環境は、自分自身が一番わかるので、自分の確定申告は、自分で作成し、納税をするのが原則的考え方です。これが「申告納税方式」による申告です。そのお手伝いを行うのが税理士です。税理士を利用することによって、税金を払いすぎや申告ミスを回避することができるメリットがあります。
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名古屋税理士会会長 尾崎秀明氏の叙勲記念祝賀会に出席
昨年の秋に藍綬褒章を受けられた名古屋税理士会会長の尾崎氏の叙勲受賞記念の祝賀会に出席させていただきました。 私は、今のところ何ら税理士会の役職に就任していませんので、同業の方からは何故、国枝が会長から招待されたのか疑問の声が上がるかもしれません。尾崎さんが、歴代の名古屋税理士会の会長の中で一番年が近いということもありますし、近くで同じ方向に向けて税理士会の職務をやってきたという間柄もあって、親しみを感じる会長です。平成27年からの2年にわたり、税務支援対策部長であった尾崎さんを副部長として支えてきたのです。ですから、尾崎さんの受賞のほんのわずかではあるかもしれないですが、貢献させていただいているのではないかと。胸を張って参加しました。 席次表を見ると、うわーっというくらいのテーブル数に人数。想像をはるかに上回る人数で、300人は超えていました。同じ大垣支部の現支部長、歴代の支部長、現役他支部の支部長、現役名古屋税理士会役員、そして、税法学者である田中治先生、中里実先生まで。会場の名古屋東急ホテルの宴会場がいっぱいになっていました。 同じテーブルの近くの席には、税務支援対策部副部長であった時代に苦労をともにしてきた部員の皆さんがいて、懐かしい顔ぶれでした。私が入院した51歳近くを迎える会員もいたので、私のようにならぬようにという思いを込めて、私の現状や病院に入院する直前の話をお聞かせしました。今のところ、左腕左脚に不自由があるだけで、税理士としての正常な判断力はあり、元気に仕事はできているということに、安どいただけたのではないでしょうか。 受賞の記念式では、歴代の名古屋会会長がスピーチに立たれて、懐かしさを感じました。西村氏、小川氏ともに髪の色が変わられたとかはあったものの、年齢の割に若々しく話され、こうありたいなあと感じました。 尾崎氏は、この褒章は、名古屋会会員を代表して受けたものであるから、その受賞の喜びをを税理士会会員皆さんで共有したいという旨をスピーチされました。尾崎氏は、税理士業務の国際化に力を発揮されたという税理士会連合会の元会長神津氏のスピーチがありました。ドイツのミュンヘン税理士会との蜜月関係をさらに発展させ、日税連公開研究討論会でミュンヘン税理士会役員をご招待したということから、きっと会長の意向であるだろうと思っていたところ、その他の国とも、交流を深めてこられたのですね。 名古屋東急ホテルは、尾崎氏の事務所のおひざ元というだけでなく、尾崎氏の思い出の場所でもあるということでした。昭和62年10月10日にご結婚披露宴を挙げられた場所であると。この祝賀会に出されたメニューと同じ料理が披露宴で出されたということでした。そんな受賞者の思い出の場所で、多くの会員と受賞をお祝いできるのは大変うれしく思わされました。 確定申告の季節になりましたね。税理士と顧問契約をするほどでもないけれど、確定申告書を作成するのに知識がないので、所得税の確定申告ができないという納税者の方々の税務相談を税理士も税務署とともに行っています。その税理士による無料税務相談の企画運営を行うのが、「税務支援対策部」です。そう、国際センターにて外国人の税務相談を通訳とともにやらせていただいたのですが、その運営の一端を担わさせていただいたのも、思い出として残っています。あれから8年も経つんですね。時が経つのは早いものです。
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名古屋御園座で歌舞伎鑑賞
御園座というと、名古屋の舞台芸術の殿堂的な場所、聖地のように感じます。一度近くを通り、新しくなった御園座は近代的でいいなあと感じていました。観劇で入場できたらなあと。ようやく先週、名古屋で開催入場してきました。クラシック音楽のホールは何度か入場して慣れているのですが、御園座は初めてでした。御園座のご近所は、いい雰囲気で、御園座の今月の目玉である「市川團十郎襲名披露」を盛り上げるべくのぼりを作って掲げられていました。収容人員の多いイベントを意識しつつ商店街が工夫しているところはとても好感が持てます。また、建物の外観も洒落た装いで演出されていて、帰りに一杯飲んでいこうかという気持ちにさせてくれます。かくいう私は、残念ながらお酒はほとんど飲めない下戸ですが、ワイン1杯、ビール1杯くらい飲んで、観劇の余韻に浸りながら帰路に付けたら、しれは気持ちいいいだろうなあと思わせてくれるような庶民的なお店が軒を連ねています。 さて、御園座の内部、入り口から客席までがすごく近くにあって、移動距離が短くていいと思われるのですが、逆に言うと、休憩時間や終演後がごった返すのではないかと思われました。お土産物屋さんは、弁当を買い求める客で混雑し、行列になっていました。私たちは、すでにお弁当を予約していたので、さほど並ぶ必要はなかったようなのですが、「予約の方はこちらです」という呼びかけがなくて、長い行列に並んでしまいました。うーん、もう少し配慮が欲しいものです。予約客向けの弁当はすでに紙袋に入れられて、すぐに持って行けるようになっていたので、開演時刻に間に合わなくなったわけではありませんが、余裕がなくなってしまいました。 座席は、朱色で統一されていて、クッションが置かれていました。クッションが置いてある劇場って初めてでしたが、これがなかなか良かったのです。腰や尻が痛くならないソフトな座り心地なのです。今回は、夫婦での観劇でした。1階席で、左寄りの席であったのですが、座席の幅が広く、前後の間隔もさほど窮屈ではありませんでした。 さて、肝心の歌舞伎。夫婦で歌舞伎見物は今回二度目。珍しく二人の意見が合って歌舞伎を鑑賞に行ったのですが、いつも思うのですが、本当に贅沢な楽しみであると思います。役者さんの演技、セリフの言い回し、舞いも素晴らしいのですが、私は歌舞伎についてくる音楽も魅力的に思います。最初の演目の唄と三味線の見事さ、鼓の歯切れのよい音、能管の耳をつんざくような高音と。クラシック音楽もいいけれど、歌舞伎の音も実にいいのです。ドラマチックであると思います。そして、豪華な舞台演出、美しい背景を製作するのも時間がかかるだろうなあと思わされます。 今回のメインは、なんといっても海老蔵さん改め團十郎さんの勧進帳での「弁慶」でしょう。圧倒的な存在感のある弁慶を演じられました。花道を堂々と引き揚げていく弁慶は、顔の形相がものすごい迫力でした。花道にほど近い席で、團十郎さんの迫真の演技が見られたので、二人して満足でした。 そして、もう一つ御園座初舞台の團十郎さんの息子新之助さん。甲高い透き通った声での口上は、堂々としていました。昼の部であると、新之助さん主役の「外郎売(ういろううり)」が見れたのですが、残念ながら今回は夕方の部でしたので、口上でお父さんの露払いというような感じでした。父子がそろって舞台で挨拶するのは、あまり見れるものではないでしょう。いいときに来たものだと思いました。新之助さんが、團十郎になるまで自分は生きていられるだろか、生きていたいものだと。 新世代がどんどん出てくる世の中ですね。私も、歌舞伎を定期的に見始めて10年は経ちませんので、あまりその変遷は実感できていませんが、新之助さんがお父さんと並ぶような役者になるのを見たいものだと思います。歌舞伎界は、役者の血が受け継がれるということでしょう。やはり、世襲というのは、周囲に安心と安定感をもたらすものであるように感じます。 先日、クラシック界の重鎮である小澤征爾さんがお亡くなりになられましたが、やはり若い小澤さんの指揮した音楽と、大ベテランとなられた時に指揮された音楽は違うのですよね。「軽妙・若々しさ」から「貫禄・壮麗」へという感じでしょうかね。 年齢と経験によって、人間は変わっていく、成長していくことを感じさせられる人物になっていきたいものです。
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税理士の仕事はAIにはできません
税理士や公認会計士がAIにとってかわられるというようなことが言われていますが、とんでもないことだと私は思っています。 税理士の仕事は、税法に関する知識、会計に関する知識は当然なのですが、持ち合わせていなければならない資質として最も重視するべきは、 会話力、よく言われるコミュニケーション能力であると思います。お客様の言われる言葉を正確に聞き取る能力、お客様の表情を感じ取って、それをも考慮に入れつつ説明する能力が要求されています。できれば、それが瞬時にできるといいのですが、そのような力は、経験を通して身に着けていくものではないかと思えます。何が問題になっているのかをできるだけ速く正確にとらえて、お客様にお伝えすることです。 この時期は、多くの個人の確定申告の相談を受けるのですが、毎年決まったようにお持ちいただく方については、そのお客様をよく知っているのですが、一見さんであると、その方の情報についてゼロから収集することになります。本当に、数多くの質問を投げかけることになります。それを嫌味なく聞いていくというのが大事になりますよね。AIにいろいろ質問されるなら嫌になるのではないですか?そうです、血の通った生身の人間であるから、そこに信頼が生まれるのではないでしょうか。 映像判定を導入されて野球、サッカーが変わりました。審判の負担は減ったのではないでしょうか。AIは、数字を読み取るということは、とてもたけていると思います。計算ミスも当然しません。そんなことを考えるならば、AIの良いところを人間が利用するのが正しい在り方だと思います。勘定の機微を感じられないAIでは、全面的に信頼をおくことができる存在になりえません。 私たち税理士は、真に納税者の期待に応えるべく、普段からその資質に磨きをかけて、知識を共有するべきです。そう、「税金は1円たりと多く支払わせてはいけないし、納めたりないのもいけない」という言葉をTKC創始者飯塚毅さんが残したそうですが、まさにその通りで、税理士に相談して、正しい申告ができた、安心できたと言っていただけるがわれわれの報酬のうちの一つでもあります。