コラム

-
経営者としての務めとは何かを考えたい
年度替わりの4月は、新入社員が、新入生が希望と夢を胸に新たなステージに足を踏みいれる季節です。この季節の「少し肌寒く」「ピリッとした緊張感」の中、桜の咲く雰囲気が私は好きです。皆様の中で、ご進学、ご就職でお子様が巣立たれた方も多くいらっしゃると思います。新しいステージで、成長されること、ご活躍されることを祈ります。 気持ちを入れ替える、初心に帰る機会ともなるのが、新年でもあり、新年度もあると思います。事業を始めた時の初心を思い出してみていただきたいです。最近、昔の意気込みはどこにいったのか?入社当初のさあやるぞといった意気込み、新しいことを学ぶ意欲にあふれた新入生当時の思いをこの機会に思い起こされてはいかがでしょうか。それとも、「起業」当初の意欲にあふれたご自身、親から引き継いで代表になり気持ちのたかぶった当時の自分を思い起こされてはいかがでしょうか。 さて、企業の代表者である皆さんは、自社をどのような会社にしたいという思いはあるのではないでしょうか。食べていければそれでいいと思っている代表者は、いないと信じています。どなたも、自社が『社会的に認められて、儲かる会社でありたい』と思っていると信じています。例を挙げるならば、「会社の利益を1000万円、代表者自身の役員給料も年1000万円には最低限したいな」というものです。ところが現状、「利益は出ていない、役員給料は、600万円しかとれていない」としましょう。そのような会社は、『社会的に認められていない儲からない会社』と言って過言ではないと思います。このギャップを埋めるためには何をしなければいけないですか? その「ギャップ解消方法を考え、実行に向けて組織を動かす」のが管理者の仕事であり、経営者の仕事であると思います。中小企業の場合は、現場の仕事を代表者が自らやる必要もあるかもしれませんが、それに没頭しすぎてはいけません。代表者は、日々の業務に追われない環境に自らを置くようにしていくべきです。大所高所より会社を見て、方向性を決めるのが経営者です。現場仕事に没頭しすぎていては、本来経営者が行うべき仕事ができないのではないかと思います。今は、現場仕事を数多くやっているが、それを部下に委ねていくようにしないと組織的な仕事ができません。企業の成長発展がもたらされません。 ですから、会社を大きく強い会社にしていくには、次の点を考えるべきです。 代表は、代表しかできないか代表がやるべき仕事のみをやりましょう。 代表しかできない仕事ばかりの場合は、仕事ができる部下を作りましょう。 仕事ができる部下に、代表がやっている仕事を任せましょう。 代表は、常に会社の経営成績や資金繰りを把握しておきましょう。 代表は、この会社で、何をなし遂げるかという「目的」、「ビジョン」を作り、公表しましょう。
-
受験。初志貫徹、よくやったな!
息子が、就活、受験という1年でしたが、この3月にようやくピリオドを迎えることができました。 高校1年生からずっと同じ大学を第一志望に掲げてきて、そこに合格することを目標として高校3年間を送ってきました。親からの「もっと受かりやすいところで」という言葉にも心揺るがずに、「初志貫徹」してくれました。第一志望校を受験して、見事に合格を勝ち取った息子に、よくがんばったと言ってやりたいと思います。やり切ってくれたことを誇りに思うし、本人は大変な自信になったことでしょう。 受験は、2月下旬ということで、その間は緊張して待っていたのですが、その間に高校の卒業式がありました。 岐阜県の高校は、3月1日に卒業式を行うと決めてあるのでしょうか、3月1日は土曜日であるのですが、実施されました。土曜日実施であるためか、両親とも参加するという方も多かったですね。よく晴れた日に、緊張しながらも堂々と体育館に入場してくる卒業生たちを観させていただき、やはり人生の一区切りを見届けるというのは大事なことだなあと思わされました。入場は、音楽部の合唱「365日の紙飛行機」をバックにしてでした。これも、卒業式にふさわしいと思いました。卒業生代表らの言葉に、すべて入学1年目での「コロナ」でのマスクありでの辛い生活が思い起こされ、特につらい時期を送ってきた年代だったんだなあと胸が熱くなってきました。コロナを乗り越えて、大きく成長した高校時代だったと胸を張って言えるという卒業生が多かったのかもしれません。退場の際は、吹奏楽による「エール」(いきものがたり)が流れる中で。歌詞はないものの、歌詞を思い起こしながら聴くと、じんわりと涙が出てきました。式典の中で、生徒たちが演奏する音楽って、上手い下手は関係なく、感動してしまう。これで、3人とも高校を卒業させることができたんだなあと思う安ど感も相当ありました。 卒業式終了後に、クラスルームに移動して、最後のホームルームを親も見学させていただいたのですが、大半の生徒が合格発表待ちであるだろうに、すごく明るい表情で、「このクラスで楽しかった」という感想を言っていましたが、本当に良い仲間たちと切磋琢磨して学習できたのだなと実感できて、これにもまた感謝の気持ちがわいてきました。この高校は、自由と明るさがあって、やっぱり素晴らしい伝統校であるなあと。晴れ晴れした気持ちになって帰宅しました。そのあと約1週間ほど後の合格発表。 やっぱり、まわりの仲間たちも高い目標を掲げて頑張り続けているから、それに引っ張られてもいるのだろうなあと思わされたのでした。親として、「遠出しない、演奏会いかない」ということをしていましたが、久しぶりに夫婦で3月中旬に名古屋フィルハーモニーの演奏会に出かけました。
-
スマホで確定申告、今年もやってみました 「乙」欄ってなにか?
もちろん、税理士事務所ですから、自身の申告についても「事務所で使っている所得税の確定申告ソフトを使えばいい」のでは?という声もあるのでしょうけど。「スマホ」と「マイナンバーカード」で完結するから「スマートに確定申告」しようという税務当局の呼びかけに応じて今年もやってみました。 興味半分でもありますし、ひょっとしてお客様より聞かれるかもとか思うと、「試しに」やってみるというのは税理士として大事なことではないかと思うからです。 まず試したのは、給料2か所にふるさと納税の1か所の申告の妻の申告。これは、さほど難しいものではないなあと感じました。「年末調整を行った源泉徴収票」「行っていない源泉徴収票」を別々に入力するところ、まずわからない方がおられるかもしれません。。「年末調整を行ったか否か」の判断は、「摘要」という文字が用紙の中央あたりにあると思うのですが、その横に「年末調整未済」と書いてあるかどうかで判断できます。それか通常、年末調整していない源泉徴収票は、金額が3ヶ所書いてあるだけです。「支払金額」「源泉税額」「社会保険料」の数字です。逆に入力しようとしても、入力できる欄が足りないということで、間違いに気が付くことでしょう。 「年末調整を行った源泉徴収票」は、1枚しか入力できません。これは、年末調整については、1番支払いの多い勤務先で行うということです。当然、2か所以上で年末調整を行うことはできないということも意味します。年末調整は、メインの給料から行い、メイン外の給料のほうでは年末調整を行わないということです。メインでない給料のほうは、必ず「源泉徴収額」が出てくるのです。メインでない給料のほうを税額表の「乙」欄で源泉徴収を行っています。 ですから、2ヶ所以上の給与を支給される人は、確定申告しなければ、正しい年間の所得税を算定することができません。 ただ、何らかの理由で年末調整されていない給料のみしかない方を見ることがあります。この場合は、税金を払いすぎていることもありますので、確定申告することです。そして、払いすぎた税金を戻してもらうのです。 そのようにならないために、「扶養控除等申告書」は、必ず給与をもらっているいずれか1ヶ所に提出しましょう。この申告書を提出している先で、年末調整を行いますから。 スマホによる申告に戻ります。感想としては、専門的な知識を持っている人が、隣にいて用語について確認しつつ進んでいくならば簡単だと思います。ただ、税に対する知識が乏しい方にとっては、「用語」に戸惑うのではないでしょうか。 インターネット上に数多くの専門用語の解説が掲載されていても、説明がわかりにくいかもしれませんね。そんな時に、ちょっと聞ける存在として税理士は、存在しています。どちらかというと、税理士は「教えたがる」タイプが多いのではないでしょうか。軽い質問でもお待ちしていますよ。そう、複雑な案件については、やはり料金はいただくことになりますが、専門用語の意味を分かりやすくってところは、税理士事務所は、得意であると思います。
-
名古屋市立美術館にて
名古屋の伏見駅から南に行くと「白川公園」があります。その白川公園の中に、名古屋市科学館と美術館があります。科学館は、プラネタリウム見学で数回行ったことがありますが、美術館は今年2月に初めて行きました。ほぼ科学館と隣り合わせで、入りやすい美術館ですね。美術に対して、素養が全くありませんが、2番目の息子が、大学で油絵を専攻しているので、親として、絵画の良さを味わう機会を持つべきだと思い、美術館に入場しました。「FORON展」が特別展示で開催されていましたので、鑑賞しました。カラーを重ねる技法ではなく、シンプルな描き方の中に、「どきっと」させられる社会風刺を盛り込んだ画風であり、想像力を掻き立てられました。 FORON展を見終えてから、常設展示を見て回ろうとしたとき、「私、ボランティアで、作品の解説していますが、よろしければガイドを受けませんか?」という女性に、無料ガイドをしていただきました。「ガイド」さん一人、そして説明されるのは私一人です。そのガイドさんは、一方的に話すのではなくて、私に「この絵画に書かれている女性は、どんな職業だと思いますか?」「どんな表情をしているのでしょうか?」のように、私が考えたことを表に出すようにしてくれるのですよね。それで、「それは違います」とは言わず、「そういった見え方もありますよね」「いい発想ですね」と好意的な反応をしてくれたんですね。やっぱり気持ちいいものですね。会話する際に、できるだけ相手を否定せず肯定的に聴く、時にほめつつ聴くというのは、コミュニケーションにおける極意だと思いました。ガイドさんのおかげで、気持ちよく美術館の作品を見て回れて、名古屋市美術館にまた来てみたいと思わせてくれました。 白川公園から伏見駅に戻る途中に、やや小ぶりではありましたが、音響の良い「しらかわホール」があって、オーケストラのコンサートを聴きに行ったこともありました。指揮者の松尾葉子さんのサインをいただいたこともあった場所でもあったのですが、残念ながら閉館してしまいました。クラシック音楽に限定した会場では、維持が厳しいということですかね。私が、初めて生のオーケストラを聴いて感動した「大垣市民会館」も、昨年3月に閉館してしまいました。さびしいことです。 さて、そこで今まで行われてきた「確定申告会場」は、今年から「大垣市情報工房」に移ったようですし、税理士会が無料相談を開催していた「イオンタウン」も「情報工房」へと移っていきました。今まで定着してきた大垣市民会館が、大垣市情報工房に集約されるというのは、これも時の流れなのでしょうか。イオンタウンでの相談会だと、1階のフードコートで、ランチするのも楽しみの一つでしたが、情報工房だと、お食事処は若干不便かもしれませんね。 確定申告の話題になったところですので、次回は「確定申告」をテーマにお届けしたいと思います。
-
税制は、「国民」みんなのものだ
国民民主党の訴えが大きく効いたのか「税制を国民みんなで考えよう」ではないかという機運が高まっていると思います。それが、衆議院選挙からずっと続いています。国民民主党が、税を身近にしてくれた功績は非常に大きいものであると感じます。税をどのように徴収していき、どのように使っていくのか、国家の予算を決する国会が、いつになく熱いのは、民主主義にとってとても好ましいことであると思います。 その中で、税理士会も訴えて続けてきた「基礎控除」の額がようやく動き始めたのは、良かったのですが、わずかに「10万円」の基礎控除のアップという12月に出された自民党税制調査会の結論に驚きあきれました。2ヶ月経ってようやく出してきた自民党の修正案は、また「新たな壁」200万、500万が設けられて、しかも「時限的」に基礎控除を上下させるものでした。これを聴いたときに、私は非常に腹が煮えくり返る思いがしました。結局、自民党の税制調査会=インナーは、まったく国民に対して優しさのかけらもないのだなと。国民の意思を聴くという気が全くないのだなと。そして、税制はややこしいものであるから、国民にはタッチさせまいとしているのではないかと勘繰らせるような内容だと思います。「わざわざ、ややこしくしている」のが自民党のように思えています。 そんなに財政は、危機的状況かと言ったら、そうではないらしいのです。この数年間は、税収は伸び続けているということです。景気がよく、個人所得が増えている、法人所得が増えている、物価が高くなって、消費税の税収も増えているからでしょう。それに比べて、賃金給料の伸びは、物価の伸びに追いついてはいないですよね。実質的に買えるものが減っているにもかかわらず、支払う所得税は、給料の伸びによって増えました。ということを考えるならば、思い切って「基礎控除」を3倍以上にするのが正しいのではないでしょうか。 さらに思うのが、基礎控除に「所得制限」は、やるべきではありません。基礎控除は、「最低生活費を画する機能」がありますが、それを放棄せずに貫徹するのが正しいと思います。所得により、基礎控除を上下することは、原理原則に沿っていません。また、所得制限をすることにより、税制によって「働き控え」「収入の調整」が行われることになりませんか? 「税制」をよりシンプルに、分かりやすくからどんどん離れているのが近時の税制改正です。経理処理を煩雑にする税制、納税者への説明を複雑にする税制から脱却するきっかけに今国会がなることを期待したいと思っています。 税制は、「公平」であり、経済的に中立であり、皆がわかりやすく簡便で、納得感をもって納税できるものにしてほしい。このように、税の実務家は思っています。そう、少数与党である今国会を機に、「税制を国民の手に」取り戻すべきだと思います。
-
私立大学入試の合格発表から合格通知などを見て思うこと
高校3年生の2月というと、大学入試の真っ最中という感じがします。私立大学の入試の合格発表は、ピークを過ぎたのかと思います。息子が高校3年生で、いくつかの大学を受験しましたが、合格発表のやり方が、それぞれ違うので、戸惑います。利用者側からすると、すべて統一した方法ならば、楽だがなあと思います。今は、大学のホームページ上に、「合格者の番号を掲載する」というのは少数派なのでしょうか。それとも、大規模大学は資金力があるので、受験者個々人に、通知できるシステムを利用できるのでしょうか。合格者の人数が多いので、番号を羅列するならば、見づらいので、番号掲示をやめたのでしょうか。 息子のすべての受験大学は、受験者独自のページ上(マイページ)で、合否照会のボタンをクリックかタップすることで、合格か不合格かがわかりました。はじめての合格発表の大学では、表示されるのに時間がかかってイライラさせられたのですが、以降は皆さん慣れたのか、画面が表示されにくくなる現象もなかったように思いました。 ある大学は、合否の発表のほかに、同時に試験の各科目の得点の発表も行っていましたが、そのような素早い情報の開示は、大変良いことだと思いました。この点数の開示は、合格者にも不合格者にもされるもので、成績の開示を希望しないのならば、表示されないというもので、これは大変親切だと感心させられました。「合格最低点」も表示されるので、ぎりぎりの合格かどうかも分かるのです。この開示で勇気づけられるというのもあるかもしれませんが、落ち込む可能性もあります。物はとらえようです。良いように解釈していくことでしょうね。 不合格通知は送られてきません。合格通知は、速達で届ける大学が多数だと思います。その通知書がなんとも殺風景でさびしく感じる大学と、デザイン性が優れていて、入学はしないのだけれど、ちょっと保存しておきたいなと感じさせる大学もありました。他の印刷物にも、統一的なデザインを使っていて、本当にオシャレに思います。実際、世間から「おしゃれな大学」と言われている大学なんです。通知書を速達で送らない大学もあります。合格通知書は、必要ならば、ネットからダウンロードしてくださいっていう大学。この大学は、私立大学には珍しく、入試要項すら、紙発行をせずに、ダウンロードしてくださいと。新しいこと好きな「革新的な大学」だけあると思わされます。それぞれ大学のカラーがでているのでしょう。面白いものです。
-
確定申告期は、土曜、祝日も営業中です
当事務所、本日2月22日土曜も事務所営業日です。週休2日制が標準の世の中であり、ひょっとして祝日も多いので週休3日のようになっているかもしれません。しかし、この時期は例外的に土曜日も事務所を開いています。これには、数点理由があります。確定申告期にあたり、個人の所得税確定申告という業務が加わるのもあります。さらに2月は、いつもの月よりも3日少ないということもあります。個人の確定申告ということで、普段サラリーマンの方が、平日に時間を取れず、土曜日ならば時間を作りやすいからということで土曜日に開けているというのもあります。仕事する側の嫌な点はあるでしょう。子どもたちや、一般人が休んでいるのに、我々は働くのかというように思う時もあるでしょう。週の休みが1日になることで、疲労回復にマイナスになるかもしれません。週休2日が当然となった今だと、週1日の休みだと、働いてばかりいるなあという感覚に襲われるかもしれません。 しかしながら、土日に働くのはいいことも多いのですよ。私は通勤時間がかかりませんが、他のスタッフは、岐阜市から通勤してくれる人もいます。土日の交通量は、平日よりもはるかに少なく、通勤時間の短縮化や燃費の向上にもつながります。また、迷惑電話で呼び出されることがほぼありません。電話の呼び出し音が鳴らず大変静かな時間が過ごせます。ということは、仕事の効率も上がりやすいように思います。電話の音、訪問客の声というのが少ないというのは、作業環境には大変良い影響を与えてくれます。 人の声が気になってしまって、仕事に集中できないという時はありませんか?工事車両の大きな音を立てて走り抜ける音が邪魔に感じることはありませんか?そんな音から解放されるのが土曜出勤であると思っています。ですから、私はこの時期ある土曜出勤を嫌いません。 それと、私どもの事務所ルールで、2点決めていることがあります。一つ目は、土曜出勤時は、「服装自由デー」にするということです。スーツ以上に作業がはかどる服装はあると思います。そんな動きやすい服装で仕事をしてもらうのが土曜出勤の日です。あと、「ランチ支給デイ」にするということです。お弁当は、当事務所の顧問先さんの仕出し弁当などですが、さっと食べられて、処分もしやすいということで、好評だと思います。 私としては、たとえば午後10時まわって夜遅く働くよりは、その分を土曜日に回して、仕事を「平準化」するのがよいと思っているのですが、いかがでしょうか。1日当たりの労働時間は9時間までにしておくべきではないでしょうか。夜遅くまで働いた後、車で帰るというのは疲れませんか。事故に遭う前に、1日当たり労働時間を減らしていくということを考えています。
-
岐阜県知事選、揖斐川町議会議員選と続くが
次の日曜日2月16日が投開票日である「揖斐川町議会議員選挙」の投開票日。人口2万人を大きく切ってしまった揖斐川町。面積だけは広いものの、人の住んでいない地域が大半の揖斐川町です。とうことは、必然と町の中心地域、役場から近い私どもの事務所の近くには、多くの選挙カーが通っていきます。選挙カーからの候補者の名前の連呼は、耳障りに感じることもあり、気になって業務に集中できない時もあります。 13の定数に対して、15人が立候補していて、実際にお会いして、話したことがある候補者は、半数程度います。1票だけしか投じることができないので、誰に投票しようかと迷わされます。この1週間程度は、雪が積もらない日がないほどで、「雪かき」に時間がとられて、うんざるしているという声を多く聞きます。「多雪地域」であるから、揖斐川町に定住してくれないというだけではないと思うのですが、揖斐川町は、都市への利便性は、隣接する大野町、池田町にも劣るのは、間違いないでしょう。町内に実家があっても、そこに戻ってきたいという声が聞かれないのは非常に残念なことですが、やむをえないようにも思います。町村合併の結果、旧村にあった役場が「振興事務所」になり、中学校、小学校がどんどん閉校になっていきました。町中心部にある揖斐小学校ですら、私たちの世代は、1学年100人いたのが、今では20人足らずになっています。寂しいものです。これだけ同級生が減るでは、クラブ活動にも影響は大きく、少年野球のチームも減りました。「若者が残ってくれる揖斐川町へ」、なんとか知恵を絞っていくべきでしょう(残念ながら、私には名案は思い付きません)。 町の政策で、学童には、手厚い給付がなされています。「給食無料」「修学旅行無料」「高校生まで医療費無料」「通学定期代一部公費負担」というのがあっても、「働く場」「遊ぶ場」「学べる場」が乏しいから、さらには、気象条件が悪いから、揖斐川町に居住したいと思わないのでしょうか。「住んで良かったと思われる揖斐川町」になるために、何をなせばよいか、何ができるのだろうかを、この選挙戦を契機として、広く住民が考える機会になると良いと思います。 1月には、岐阜県知事選で江崎氏が新知事に選出されました。こちらの選挙戦は、非常に長いものでしたが、一度も選挙カーは見られず、静かなものでした。候補者は2人、広い岐阜県全部を回らないといけないということだから、人口の少ない地域よりは、岐阜市、大垣市、多治見市などといった人口規模の大きい都市部を重点に回られたからでしょう。 私自身、岐阜県を離れて暮らした期間もそれなりに長くあり、東京、愛知、大阪といった大都市部にも頻繁に行くこともあるので、岐阜とそれら大都会を比較することがよくあります。岐阜県の良さって何だろうかと考えると、「自然の美しさ」「歴史ある史跡が多いこと」「食べ物の多様性」とうのがあるだろうと思います。岐阜に住んでいれば、ほとんどの地域で山並みが目に飛び込んできます。山が非常に身近なところに存在するという良さがあります。そして、日本平均よりも降水量は多く、良質な「水」を生かした作物が多く収穫されることもあるでしょう。「日本のほぼ真ん中」に位置する県であるので、日本の様々な地域に行きやすいということもあるでしょう。東海道新幹線で結ばれた三大都市圏へのアクセスは、非常に容易であることが挙げられ、都会の娯楽にも触れやすいという面でも利便性は高いのではないかと思えます。身近な公共交通機関網は、充実していないのですが、主要道路網の整備は行き届いていますから、車での移動は大変便利な県ではないでしょうか。 揖斐川町の発展性はさておき、岐阜県の中でも愛知県に近い地域であるならば、より発展する可能性はあるだろうと考えます。岐阜県の新リーダー江崎氏は、20年続いた古田県政をどのように引き継ぐのか、どこを変えるのか注目していきたいと思います。