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今年の「わかれ」

年末医はになると世界10大ニュースとか、日本10大ニュースとかが新聞に掲載されますが、同時に今年亡くなった方をしのぶコーナーもありますね。今年は特に安倍晋三元総理の死去は、衝撃を与えました。私は国葬どうのこうの言われておりますが、安倍元総理は、国民こぞってそのご逝去を悼むべきなのではないかと思っています。まず、選挙のさなかで銃撃されての死であるということ、民主主義の根幹である選挙の応援演説の最中に撃たれるというのはなんと卑劣なやり方でしょうか。銃撃した相手に強い怒りを禁じえません。

安倍さんの在任中になさった政治は、とりわけ外交面で光るものが多かったように思います。日米の緊密な協力関係をさらに強固なものへと築き上げました。トランプ大統領との関係も、実に親密な間柄であったように見えますし、成果は大きくなかったけれどプーチンロシア大統領とも関係は良好でありました。歴代首相のうちでもっとも他国に最も良い影響を与え、世界をけん引する素晴らしい政治家でありリーダーであったと思います。国内でも、東日本大震災からの日本の復活を強いリーダーシップで引っ張る強い首相でした。そんな姿を国民は支持し、戦後最長の政権となったのではなかったでしょうか。彼の著書「美しい国へ」を読むと、なんて日本を深く愛して戦ってきた政治家なのかと心打たれました。一度目の首相辞任から、再度の登板では見事に復活し、ひ弱な印象を一掃されていましたね。自身に満ち溢れた彼の弁舌に、国民は大きな支持を与えたのでしょう。安倍さんが亡くなられて半年。まだ若い元首相、さらに日本のためになされたかったことが多かっただろうに、その無念を思うと残念でなりません。安倍さんとは、近くでお会いすることはできませんでしたが、歴代総理では、最も近くでお話しできたらいいなあと思える総理でした。安倍さん、安らかにお眠りください。誠にありがとうございました。年末近くに、さらに惜別の念を強く持ちました。

もうひとつ、今年なくなってしまったもの、「中央大学音楽研究会グリークラブ」。ここ最近部員数の減少に悩まされてきたのですが、コロナの影響で、新入部員の獲得も思うようにいかずとうとう廃部となってしまいました。大学4年間は、このクラブに捧げていたといっても過言ではありません。その思い出は、永久に自分の胸のうちに脳裏に残り続けると思います。ただ、現実の世界で後輩は増えていかないというのは寂しいことです。今後は、あまり後輩たちの演奏会を観に行ってやれなかかったのですが、そのなかで確かに、グリークラブの伝統が受け継がれ、音に表れていた。最後に聴きに行った定期演奏会では、大学時代に思いが行き、涙が出てきました。覚悟はしていましたが、とうとうこの日が来てしまったかと、廃部を伝えるOBへのメールを読んで思いました。70年にも及ぶ歴史。幕が引かれることなど、現役の時には思いもよらなかったですね。学歌である、「惜別の歌」がこの文章を綴りつつ頭に浮かんできました。でも、グリークラブとともに歩んだ4年間、自分にとって良い期間でした。グリークラブでの活動を許してくれた両親に感謝しつつ、またフリークラブでの出会いに感謝しつつ、その存在との「わかれ」を惜しみます。