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大盛況!!井之上道義指揮名古屋フィルの最後?の定演(やや長文です)

5月13日、名古屋フィルハーモニー交響楽団(以下名フィル)の定期演奏会に出かけました。当日は、ぱらぱらと雨が降っていたので長時間歩くのは濡れるということで、4月のように名古屋駅から栄の愛知芸術文化センター(略して芸文)まで歩くのはやめました。地下鉄で名古屋から栄までを移動するというのが一般的なルートではないかと思うのですが、地下鉄は、本当に「階段が多くて危険」です。階段ばかりで、エレベータやエスカレータの数がいかにも少ないのではと思っています。地下鉄、できれば使いたくないと思ってしまいます。混雑せず周りに歩く人が少ないならばいいのですが。身体に不自由を抱えると、できるだけ平面で歩きたいと考えます。YouTubeで外国人が、日本はあまりに階段が多くてと言っていたのに対してその通りだ!と思ってしまいます。とりわけ、濡れた階段は危険なので、足もとには気を付けて歩かなければなりません。この日は、名古屋駅近くからバスに乗って栄まで移動しました。とりわけ低床のバスは、足が不自由な人にとって大いなる味方になるなあと思わされます。眺めは犠牲にされますが、高齢化社会にとって、電車よりもバスは、移動手段としてより活用されるべきと思わされます。名古屋市営バスは、電子マネーにも対応して乗りやすい乗り物ですね。

さて、演奏会の話題に触れていきましょう。午後4時開演で、3時過ぎに到着ということで、まだ余裕があったため演奏会のチラシが多く展示されているスペースへ。こんなに多くの人が、チラシをとっていくんだなあとびっくりさせられました。クラシック音楽と言うのは、おじさんのためのもの?ここでも熟年から老年の男性が大半でした。今回のチケットは、電子チケットです。スマホに表示させて、それを指で円を描いて使用済みにするという仕様です。スマホは、必ず持ち歩くものですから、チケットを忘れる心配はありませんね。ただし、「スマホの充電」は気にしなければなりません。コンサートホール内でも階段は数多くあります。スロープになっている方が歩きやすいですが、傾斜がきついと「階段」とせざるを得ないのでしょう。今回は、2階席でしたが、2階までのぼって、下に降りるのでなくて、1階席から階段で2階席に行く方法をとりました。こちらの方が怖い思いをしなくて良いかもと思ってしまいました。

今回は、名フィルのシーズンプログラムが置いてありましたので、いただきました。魅力的なプログラムの数々に、行きたいコンサートがたくさんあるなあと改めて思ってしまいました。名フィルでなくて、もっと圧巻の演奏を披露してくれる海外のオーケストラも聞きたいなあと思いながら。

指揮者は、井上道義氏。オーケストラアンサンブル金沢の指揮者で名古屋に来られた時に、間近でサインをしていただき、握手をお願いしたら、気軽に応じていただけた親近感のある指揮者。時に、目が怖いと思う時もありますが、音楽を非常に身近に感じさせてくれた一人です。やはり、至近距離で会えた場合は、記憶に強く残ります。演奏曲前半は、「バルトーク」作曲の2曲。1つは、管弦楽の小品でしたが、かなり耳なじみのいい作品。うって変わってヴァイオリン協奏曲はでは、難解な曲、とっつきにくい曲という印象ですが、バルトークらしい民族舞曲らしきメロディもありました。さらには、指揮台を使わず譜面台も相当な低さにして指揮されていた井上氏とソリスト服部氏が左右に動きながら演奏をする、まるでワルツを二人が躍っているような感覚にもさせられ、目で見て、音を聴き楽しむには十分のステージでした。

後半は、プログラムにも書かれた「休憩30分」の間に「指揮者を囲んで同心円状に演奏者が取り囲む」ステージへの転換と、指揮者によるトークが5分。指揮者のトークは、曲の解説をするものでしたが、その解説があったためによりステージを楽しめたように思います。1曲目は、20世紀後半に活躍されたクセナキスの「ノモスガンマ」という作品。八方に打楽器タムタムの配されたステージ。指揮者は、360度回転しながら指揮をするという感じ、「これは音楽ではありません」と言っていた井上氏のトーク通り、音を「楽しむ」というのとは異質である感じをもっても、井上氏が言っていた「奏者の中央に観客がいることを想定して」作った音楽と言われればなるほどと言わなければと思わせる作品でした。なんとも「立体的な音響」であること!驚きの15分程度でした。何が待っているか、いつ終わるのか皆目見当がつかないような作品でした。今回の演奏会で唯一知っている作品であるラヴェルのボレロ。これは多くの愛好者のいる名曲中の名曲。ただし、今回はいつもとは大違い。指揮者が、聴衆から一番近い位置にいない!そして、照明が消され、スネアドラムにスポットライトが当たると、え?とう驚きの演出。名フィルのソロ奏者に「スポット」が当てられて、ソロ奏者は立って演奏するというやり方。観客に背を向けて演奏する奏者もいたりと「視覚的にも」大変に楽しめました。やはりボレロの最終番は盛り上がりますね。拍手の嵐を体験できました。

井上道義氏は、来年末に指揮者生活を引退されるということで、井上氏を惜しむファンがいつまでもいつまでも拍手をしていて、楽団員がステージ上からいなくなっても拍手は鳴りやまず、井上氏が再度登場して熱い拍手に応えるという場面が見られました。井上氏のショーマンシップに大きな拍手が沸き上がる演奏会でした。なんか「井上まつり」を体感したような感覚。2階席までは、ほばぎっしりと詰まったコンサートホール、まだまだ熱き井上さんの指揮を追いかけていきたいと思います。