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事業承継をするべきか否か考えてみましょう

常に私は、お客様に対して「社長の次はだれが引き継ぐのか」を考えていかなければならない、それもできる限り社長の元気なうちにという話をしています。ただ、一般的には年齢によって考えた方が良いと思っています。すなわち「遅くとも60歳」より次の社長はだれか、だれを選ぶのかを考えるべきなのではないかと思っています。60歳で、次は誰かを決めると言っているのではありません。目星だけはつけてほしいと考えます。そうです、事業承継について考え始めるのが60歳とすると、それを決定できるのは、65歳まででしょう。その後、後継者に対して引き継ぐという作業があります。その作業に5年はかかるのではないでしょうか。それを終えると70歳です。「生涯現役」「80歳までは働く」という経営者もおられますが、大半は若いスタッフとの意思疎通がうまくいかなくなったり、身体に変調をきたしたりしてきます。私は、先代が70歳になってすぐに代表を交代しましたが、ちょうどよい時期であったのではないかと思います。

近年は、「事業承継」について非常に様々なところから情報が入るようになっていますので、敏感にならざるを得ないと思います。しかし、そうは言ってもどこから手を打っていったらよいのか分からないと思われるお客様も多いようです。「事業承継」をできて円満に引退できるのが最良のケースでしょう。しかしながら、必ずしもそのようにうまくいかない場合もあります。経営者はいつか経営から退く時がやってきます。退く時に後継者は育っているかを考えていかねばなりません。その前に、まず第一に今の事業は、「承継できるような状況にあるか」ということを検証するべきでしょう。

現在の状況とは、今現在の事業の収益状況を見るに、採算性は十分かです。「役員報酬は十分にとれているか」、「法人は黒字決算を継続できているか」、個人事業ならば、生活費が十分に稼げて、老後の資金を十分に貯められる収益があるかです。その判断については、税理士事務所などにご相談なさるのも一つの手段です。

次に、今やっている事業の将来性です。「将来も需要が見込めるか」ということです。他社との比較で、優位性を保っていられるのか、真似できない商品製品を提供できているのか、価格競争力を十分に保っていけるのかということです。これは、事業主の肌感覚が正しいと思えますが、それを裏付ける公的団体の発表する統計を合わせて考えるとよいのではないでしょうか。

将来性は、不安要素はないが、需要は見込めるということになれば、事業継続を決めても問題はないと思います。

事業継続が困難であれば、他の事業へと転換を図ることまたは、廃業を視野に入れることになっていきます。

廃業を考える場合、今現在の年齢に応じて、現在の懐事情に応じて変わってくることでしょう。「人生100年時代」と言われています。十分な貯えのないまま60歳までに引退してしまうのは大変危険と言わざるをえません。そのような場合は、ご自身が就業可能な職場に就職するべきことになります。

いずれにしても、「短期的視点」「長期的視点」をバランスよく組み合わせて、事業継続するのか否かを考えるべきです。