「すずめの戸締り」という作品、とっても面白くて、しっかり泣けたいい作品でした。
お正月を前に、いまだ観られていない方にはお勧めです。私は家族四人(夫婦、二男20歳三男16歳)で行きましたが、4人とも満足してました。。
家族で楽しむにちょうどよい映画であると思います。
新海監督の作品をはじめて観たのは「君の名は。」でした。飛騨地方と東京を舞台にした男女の高校生の入れ替わりの物語ですね。それが時空を超えているということで、ファンタジー的でもありました。私は、その絵の美しさにも魅了されました、主人公2人の純な気持ちにも感動しました。その結果、この映画を劇場で観ること5回。今までの最高記録であります。「君の名は。」の魅力は、私の好きな映画音楽にもあり、「RADWIMPS」の奏でるリズミカルで、に軽くて伸びやかで時に切ない声で聴かせる野田洋次郎さんの歌も美しい絵とよくシンクロしていたように思えます。あと、登場人物がきちんとその土地の言葉を使っているように演出されていることも魅力でした。
「すずめの戸締り」も、新海誠監督の今までの路線を引き継ぎながら、それを発展させているようにも感じました。いつも思うのが、監督は「鉄道大好き」「東京好き」ということでしょうか。前作「天気の子」のメインの舞台は東京。そして、今回も東京の御茶の水が舞台の登場してきました。途中まで、今度は東京を描かないのかなあと思っていたら終盤に入って東京が出てきました。そして必ず登場するのが日常的に使用する電車。今回は、移動に上りの東海道山陽新幹線が使われていました。それの発展型なのか主人公が随分と日本列島移動していくのですよね。最初は、九州・宮崎から始まり、船で四国愛媛にわたり、神戸を経由して東京に。東京から車で東日本大震災の被災地への南から北への大冒険を描いています。その中で、出会う人々との言葉が変化し、食べるものをも見せてくれています。東京から東北の被災地に向かう車の中でかかっていたBGMが、今までにあまりなかったパターンかもしれません。監督って、「ジブリ」も好きなのかな?ジブリパークを意識した演出か?と思ってしまいます。「魔女の宅急便」で登場したほうきにまたがって魔女キキの飛ぶシーンで使われたユーミンの「ルージュの伝言」。今回魔女のキキ=主人公すずめが猫を連れていた設定ですよね。ルージュの伝言をはじめ、ナツメロがいくつか出てくる点、そんなにナツメロばかり聴く若者居るのか?と疑問をもちながらもにやけながら観ました。「災害」が起こらねようにその扉を閉じることができる若者を思いもかけず「壊れた小さな椅子」にしてしまい、その責任感からなんとか若者をもとの姿に戻してあげようとする主人公すずめの純粋な気持ちに感動。そして。幼き頃の自分を諭しているすずめの姿に泣けました。東日本大震災の恐ろしい記憶と結び付けた今回の作品は。今までも災害を扱ってきた監督作をより現実に即して練り上げ昇華させたものであるように感じられました。もちろん、今回も絵は美しく。とりわけ夕焼けシーンの美しさに目を奪われます。