今い年度の名古屋フィルハーモニー市民会館名曲シリーズは、「欧州紀行」ということで、
ハンガリーを皮切りに、フランスを経てイタリアへ。イタリア、残念ながら今だにいったことがありませんが、
とても憧れに思う国のうちの一つです。私の大好きな東京ディズニーシーのエントランスにほど近いエリアは、穏やかなイタリアの漁村をイメージしているようですし、ベネチアンゴンドラで運河を渡るのも気持ちよかったことを思いだします。
東京ディズニーシー・ホテルミラコスタより眺める景色の美しいこと。あくまでも疑似イタリアであるけれども、よくできている。目が喜ぶ感覚になります。
視覚だけではない、臭覚、味覚も大事にしているのがディズニーシー。いい香りに誘われながらイタリアンに舌鼓します、これにアルコールが加わるならばサイコーという方もおられるでしょう。しかし下戸の私は、「ワイン一杯」ででき上ってしまうのです。ポーッとしてしまい、感覚が鈍ってしまいます。とにかく、少量のアルコールで酔ってしまうので、酒を楽しく味わえないのが弱点のうちの一つかもしれません。
私のディズニー好きは、確かにミッキーというキャラクターも愛らしくて良いけれど、ディズニーとクラシック音楽が深いつながりを持っているから好きということもあります。ディズニーは、数多くの美しいメロディーにあふれていますね。どの曲をとっても親しみやすいと思います。
そう、東京ディズニーシーも音楽であふれています、とりわけイタリアを模したエリアに流れるイタリアの音楽を聴きつつ、美しい景観に浸れるのも、ディズニーシーの魅力であると思います。
さて、本題の名フィル演奏会。指揮者は、30歳代のイタリア人女性。長いドレスを華麗に着こなして入場される様は、やはり日本人とは一味も二味も違うなあという印象。そして、この日は、コンサートマスターに女性、ソリストがソプラノ、テノールということでした。「声楽」を伴うオーケストラコンサートは久しぶりかなと思いながら。前半は、オペラのアリア集がメインのプログラム。プッチーニの「蝶々夫人」と「トゥーランドット」がやはり一番好きだなあ。声楽と、それを支える管楽器の絡みが美しい。残念ながらイタリア語を解かるわけではないので、プログラムの対訳を見ながら聴きましたが、そうなると歌唱するソリスト陣の表情を見ることができません。その良さが半減してしまうので、できるならば「字幕」があったらいいのになあと思いました。いずれにしても、プッチーニの音楽は開放的で、太陽がさんさんと照り付けるイタリアの明るさを思い起こさせてくれます。
後半は、イタリアの他の作曲家、3人の作品。とりわけ、レスピーギ作の「シバの女王ベルギス」はド派手な曲で、管楽器奏者の独奏、多彩な打楽器での演奏であり、最後にはテノール独奏、三本のラッパ別動隊も加わる見た目にも派手な編成。きらびやかな曲であるという印象。しかし、「イタリア?」という印象もあって、なんか納得できないプログラムであると思ったのです。なんか、アラビアンナイトのような音楽が多くて。あとから調べると「吹奏楽版」での演奏機会があ多いようでした。
よくよく、あとから考えてみたら結果面白いプログラムなのかもと思えてきました。イタリアは、地中海を挟んで多くの国と交易をしやすいポジションであると思います。ローマ帝国は、その勢力範囲を北アフリカやアラビア半島までも伸ばしていたではありませんか。イタリア人は、意外にも他の文化を容易に取り入れる民族なのではないかと思えます。「蝶々夫人」は、ご存じ日本の長崎を舞台とする話です。「トゥーランドット」は、中国を舞台とするお話です。そして、「シバの女王」についてもアラブの国が舞台であるのでした。メインである人気曲は、その題材を「アジア」に求めている、すなわち「エキゾチックさ」を強調した選曲でしたとうことで、納得したわけです。8月のこの燃え盛る季節に「イタリア音楽」よく合うなあと思いながら聴かせていただきました。