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パワハラについて思うこと

パワハラ防止が最近声高に叫ばれていますけれど、私から言わせるとどうしてこうも「パワハラ」と叫ばれないといけない時代になったかというのを疑問に思います。

私たち税理士は、常に経営者様と向き合っていますけれど、従業員との関係に悩む経営者は多いように見受けられます。

「従業員から残業代不払いでいきなり訴えられた」

「回収した代金を横領されてしまった」

「ハローワークに求人票を出しているが、まったく応募がない」

「従業員がけがを負ってしまった。なんとかしてあげたい」

ということを聞かされる一方で、

「うちの社員は、よく働いてくれる。そのおかげでずっとわが社は成長している。それに報いなければならない」

と話していただける社長もおられます。というように、法律に沿って事業運営はしないといけませんが、どちらかというと従業員思いの社長が大半なのではないですか。

そして残念ながら従業員側が、社長の思いを理解できないケースが多いように思います。

愛情ある指導が、いつしかパワハラになっている、その従業員を思って言ったことがかえってパワハラととらえられる。なんとも寂しい限りです。

私も以前は、従業員という立場がありました。その当時の上司の厳しい口調や態度に腹が立ちましたが、今思うと厳しく叱責されることで、気持ちが引き締まった、身になったようにも思えます。かえって、20数年経った今となっては、当時は懐かしくもあり、’鬼’になって叱ってくれた上司には恨みもなく感謝しかありません。

従業員が生き生きと快く働いてもらえる環境を作るのは経営者の務めです。それを怠ると経営にも悪影響が出るのは間違いないでしょう。会社の業績アップには、「経営者」の成長、そして「従業員」のレベルアップが不可欠なのではないかと思います。レベルアップを図るためには、社内での教育、訓練が欠かせません。愛情を注いだ指導を受け入れる「心」を作るのが先ということでしょうか。『企業は人なり』とよく言われますが、従業員と経営者の向かっていく気持ちを一致させていくことが、会社を前進させるための原動力です。

まずは、「経営者」たるもの、従業員が変わってくれるのを待っていてはいけないと思います。まずは、経営者が従業員から信頼されファンになってもらえるように自らそのやり方を変えていく、『「他」を改める前に自らを改めよ』と言われますが、今一度その言葉をかみしめていかねばならないと感じます。愛情をもって言ったつもりなのになぜ「パワハラ」と捉えられるのか、その原因を自ら考えてみるほかないと思います。職場の人間関係をより良くするために。それが会社業績アップにつながるでしょう。