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「ゴジラ—1.0」は、神映画(ネタバレ注意)

まずは、ゴジラ最新作「ゴジラ-1.0」から。この映画は、11月3日から公開しているので、普通の出来ならば、とっくに公開は終了してるのでしょうけれど、アメリカでの「アカデミー賞視覚効果賞」を受賞したことから、改めて見たいという人も多かったのではないでしょうか。私は、他の映画を見ているときに予告編で、神木くんが主役の映画ということで、ぜひ観たいと思ったのでしたが、なんかタイミングが合わずに、観に行っていませんでした。ようやく3月の初旬に行く機会があって、観ました。3週間経った今でも、また観たいと感じさせてくれる超オススメ映画です。実は、スクリーンで観るゴジラは、初めて。前回観たのは、シン・ゴジラでしたが、これも鳥肌が立ちましたが、スクリーンではなくて、日本のアカデミー賞の表彰の後で、iPadで観たのです。さすがに、アカデミー賞を総なめしただけの出来栄えであったと思えました。同時期に公開されていたアニメ映画「君の名は。」ばかり関心興味があって、シン・ゴジラ?、ゴジラなんて観るか!って感じでした。単なる怪獣映画でしょってね。とんでもなかったですね、日本の頭脳が必死にゴジラ制圧を試みるというもの、政治的風刺、政治の無力さ、弱点をさらけ出すものでもあったと思うし、昭和ぽい雰囲気の音楽も良かった。緊迫感がすごい、あの速いテンポ感、一度では何を言っているのかわからないというのが印象的でした。多くの官僚たちが、「日本人の誇り」にかけて必死にゴジラに戦いを挑むところに胸が熱くなりました。

ところが、今作のゴジラは、シン・ゴジラをはるかに上回る感動を覚えたものでしたし、大泣きでした。これは、私がきっと泥臭い人間ドラマが好きだからかもしれません。シン・ゴジラとゴジラ—1.0は、ともにゴジラが人間の住処を荒らしまわるということで共通してますが、ゴジラ—1.0は、戦争から帰還したやや優男の主人公の人間的な成長をも描いている点、男女の愛情、親子の愛情も十分に描かれている人間臭さがまたいいなあと。

いや、臭い人間ドラマはいいんだという人にもおすすめですよ。ゴジラが、人をくわえて投げ飛ばすシーンの迫力、ゴジラの足音の重低音で、圧倒的な重みのある音、ゴジラの動きは、まさに観客を恐怖のどん底に陥れるものがありました。町の破壊シーンや、破壊による爆風で吹き飛ばされる人びと。とてもリアルな動きです。実写でなくて、CGであるようですが、そう思えないです。

舞台が、戦後間もない荒廃した日本では、政府も機能してくれないので、民間の義勇兵でゴジラに立ち向かうといった設定も面白いところですね。山崎貴監督は、シン・ゴジラと真っ向から勝負するのではなく、正反対を行くと言っていますが、まさにその通りで、ゴジラとの主戦場が海になっているのです。陸を主戦場としたシン・ゴジラと対照的です。

山崎貴監督の作品を思い起こさせるものが、かなり盛り込んであるのも特徴なのでしょう。「永遠のゼロ」を思い起こさせる飛行機の取り扱い、特攻隊の中での「臆病者」扱いされた主人公のエピソード。「三丁目の夕日」に出てきそうな、電車、建物群、人々の衣裳も興味深いものです。「アルキメデスの対戦」で登場してきた戦艦などもスケールの大きさを感じさせてくれました。

エンディングが、まさにハッピーエンドでいいのです。「人間ドラマ」「ゴジラの大迫力」の絶妙な融合具合が、一番良かったところだろうかなあと思っています。Youtubeで山崎貴監督が気取らずに、本当に楽しそうに映画制作を笑顔で語られる姿を観ましたが、次回もゴジラは、山崎監督に作ってもらいたいという気持ちが湧いてきました。

まだご覧になっておられない方、大スクリーンでぜひ「ゴジラ—1.0」観てください。