兵庫県立文化センターの大ホールで何を鑑賞したかと言いますとバッハコレギウムジャパンの管弦楽によるヘンデルのオペラ。ヘンデルは、バッハとほぼ同じ時代の作曲家で、一番有名なのは、キリストの一生涯を誕生から復活までを描いたメサイアでありましょう。メサイアは、合唱の活躍する部分が多くあり、今年2月に、私も合唱団に加わらせていただき歌う経験をしています。今回オペラとはいってもステージの真ん中に管弦楽団が鎮座していて、実質的にオペラの登場人物が使えるのがほぼ半分くらい。管弦楽団の周囲で歌手が歌い、動くという構成されていて、豪華な背景とか舞台装置はなく、「セミステージ形式」ということでした。部隊の豪華さがなくても、美しい歌唱、ハーモニーがあれば何ら不足なしと感じられる講演に思いました。主役二人、一人は外国人のカウンターテナー歌手、もう一人は国内で著名なソプラノ歌手森麻季さん。心洗われる美しいメロディーに、美声、夢心地の瞬間が何度もありました。いえ夢心地とはいっても、眠りそうなのはこらえて鑑賞しました。今回は、原語であるイタリア語上演ということで、そのままでは何を言っているのかさっぱり意味不明なのですが、舞台の左右に日本語字幕表示があって話が分かりやすかったように思います。休憩を含めた上演時間は、4時間30分。親を討たれた子の復しゅう話や、恋愛というのはよく出てくる話でありますが、それを美しい音楽で紡ぐヘンデルという作曲家、改めて偉大なる芸術家であると思います。日本ヘンデル協会というのが存在するだけのことはありますよね。そして、音楽についての総監督である指揮の鈴木優人氏。チェンバロを弾きながらの柔らかな指揮っぷりで、その姿は、やはり同じく古典、バロック音楽の指揮者である父親の鈴木雅明氏とそっくりです。やはり、芸術家の血は受け継がれるものなのでしょう。開演15時から4時間半経つとあたりはすでに真っ暗。残念ながら、最後まで拍手することはできずに、会場を後にしました。普通のクラシックコンサートの2倍の長さながら、疲労感のない充実した時間だったと思います。
帰路は、すでに頭のなかでこのようにするといいというのがありました。その行程は、西宮北口⇒(阪急神戸線)⇒十三⇒(阪急京都線)⇒烏丸⇒(京都市地下鉄へ乗り換えて)四条⇒京都(新幹線へ乗り換え)⇒米原⇒(東海道線)⇒大垣⇒(養老鉄道)⇒揖斐というルートです。
これは、できるだけ阪急線に乗っている時間を長くするというルートです。あらかじめ調べた通り、西宮北口ですぐに到着した特急に乗り、十三では、京都河原町行きの特急に乗るというのは、行きと正反対です。阪急の電車の外装であるマルーン色、座席の色である濃い緑色に木目調の壁というのは、いかにも高級感があって、阪急線沿線の高級住宅地のイメージにぴったりで好きな点です。十三から梅田の間は、阪急の「神戸」「宝塚」「京都」の3つの路線が並行して走り、十三で枝分かれしているのです。ですから、十三は乗換駅で、かなり多くの人が入れ替わります。ややホームは、狭いかなと思うのですが、乗り換えが非常に分かりやすくできているのがこの駅の特徴であると思います。大阪より京都の繁華街である河原町を結ぶ京都線ですが、JR新快速と違い途中の停車駅が多めであるというのが、マイナスでやや時間がかかります。もう少し停車駅を減らせば、もっと阪急を使う人は増えるかもしれません。乗り換えをした烏丸駅。京都のビジネス街とでしょう。地下鉄とも乗り換えができます。京都駅へはわずかに2駅ですが、やや運転間隔があいていますね。京都地下鉄の独特な列車発車ベルは面白いと思います。日本の音、京都の音ですね。さて、京都駅は、大きな駅で、切符を買わなければならないのですが、新幹線改札の近く友人の切符売り場がありません。券売機で買うものの、障がい者用はどれを押せばよいかがわかりません。ブザーを押しても係員があらわれないので、しょうがないので普通に乗車券、新幹線特急券を買って乗り込みました。京都から米原間は1駅ですので、自由席料金は安めの設定で、1駅間でも乗る価値はあるのです。しかし、出発時刻ぎりぎりでした。わずかに20分弱の乗車時間ののち、米原駅に到着。
大垣駅での乗り換え時間よりも米原駅の方が長めであったため、米原駅の駅員に確認してみました。障がい者割引していないから、障がい者割引に変更して、差額を返金していただけますかと。5分程度の時間はかかったものの変更していただけました。米原駅の駅員さんには大変お手数でしたでしょうけど、嫌な顔せず対応いただけありがたかったです。言ってみる価値はあるのだなあと思わされました。
今度は、もっと時間に余裕をもって、京都烏丸でランチなんかできるといいなあーとか思いながら、あわただしく時間に追われて過ごした日帰り演奏会ツアーでした。