9月も下旬になり、ようやく暑さも和らぐ今日この頃であります。
すでに3週間も前になるのですが、9月5日(土)「愛知4大オーケストラフェスティバル」を観に行きました。
この催しは、昨年から始まりました。昨年も同じ時期に開催されたと記憶していますが、前回は「ブラームス」の4つの交響曲を各楽団が演奏したのです。人気のブラームスということもあって、チケットは「完売」であったと記憶してます。今年もまた、「チャイコフスキー」の交響曲を取り上げるということが前々から宣伝されていました。チャイコフスキーの交響曲を一度に生演奏で聞ける機会というのは、ほぼないですからね。チャイコフスキー好きの私はぜひ聴きに行きたいと感じました。チャイコフスキーは、全交響曲は6つあるのですが、演奏機会が多いのは、1番と後期交響曲の4番から6番です。その4曲を異なるオーケストラ、指揮者で聴けるというまたとない祝祭のようなイベントです。今回も、想像した通りで開催相当前から売り切れとなっていました。私は、発売開始から日も絶たないうちにチケットを購入していました。手配できたのは、愛知県芸術劇場コンサートホールの1階前方のシートです。前の方の席ほど「熱気」を感じ取れるのです。私としては、そこが大好きです。
さて、当日チケットは、最近はすっかりなじみになった「電子チケット」。スマホの充電切れさえ気を付けていけば、非常に管理は楽で、紙のチケットよりも良いと思います。
プログラムは、交響曲作曲年代順に並んでいます。すなわち「番号順」ということでした。
1番は愛知市内オーケストラ、4番は名古屋フィルハーモニー交響楽団、5番は中部フィルハーモニー交響楽団
6番はセントラル愛知交響楽団の順に演奏されるに先立って、各団の指揮者がプレトークで演奏する各曲の解説をしてくださいました。四者それぞれ持ち味のあるしゃべり方でしたが、一番会場を沸かせたのは、藤岡幸夫さんだったのではないでしょうか。「ブラームスは、チャイコフスキーの交響曲を散々にこき下ろした」という話。そうなのか!という感じで聞かせていただきました。4人の指揮者年齢バランスもちょうどいいくらいだと思いました。40歳代の川瀬賢太郎氏(名フィル)と角田鋼亮氏(セントラル愛知)に60歳代のベテランお二人山下一史氏に藤岡幸夫氏。いずれも日本人なのがいいですよね。一人の外国人もいないので、通訳を介さない楽曲の解説は、分かりやすいように思います。
演奏会は、プレトークが午後0時30分から始まり、午後5時30分終演でしたので、長丁場でした。約5時間でしたが、たびたび聴いてきた耳になじみのある4曲ですので、苦痛はありません。交響曲が一曲演奏されるたびに、休憩を20分ほど挟むので、ちょうどそれがいい切り替え時間となっていたのかもしれません。各交響曲いずれも40分から50分と極端に長い曲はないのがチャイコフスキーの良いところでしょう。
ただ、各オーケストラはそれぞれ、人数が違うので、味わう音の濃度、音圧には違いがあります。愛知室内オーケストラは山下氏の指揮がふくよかで包み込むような優しさを感じさせるものである一方、楽団規模の小ささ、特に弦楽器の人数が少ないのは物足りなさがありました。
スケールの大きさでは、やはり名フィルは一枚上手であると思わされます。「交響曲第4番」での金管楽器の音の厚み華やぎ、木管の優雅で優美であること、さすがに名古屋を代表する老舗オーケストラの風格があります。これは、指揮者はもはやだれでもうまい演奏が聴けるのではというレベルなのではないかと思わされます。
中部フィルは、初めて聴きましたが、藤岡さんの音楽づくりに魅せられたように思わされました。ちょっと最終楽章は、乱痴気騒ぎが過ぎやしないかというくらいの喧騒感がありました。きっと、オーケストラが藤岡さんについていけていない感じはしたんですね。「第5番」、こんな騒がしかったのですねって、初めて気が付かされました。ある意味、衝撃的であったかもしれません。
最後は、静けさの中で終わる第六番悲愴交響曲。やっぱり、悲愴が一番チャイコフスキーらしいほの暗さがあって一番好きです。そして、最後を締めくくるという覚悟の指揮が角田氏にはあったように思いました。指揮者では、唯一暗譜で指揮されたのが角田氏。第三楽章の行進曲の明るさ、にぎやかさと対照的な、最終楽章の陰鬱な空気と張りつめた緊張感と悲しみの減の響き。この曲の持ち味を生かし切った指揮でした。静かな最後、無音になっても完全にタクトを下ろさず、静寂に包まれた時間が見事でした。会場も一体となっていました。
四楽団ともに、大きな拍手が贈られていました。最後に、四人の指揮者がステージに戻ってきてくれて、拍手に応えてくれて、ほんといいシーンでした。やはり音楽が作る「和」を体現する4オケのフェスティバルと思われました。
ついでにホワイエでは、四つの楽団の事務局がグッズを販売したり、CDや今後の演奏会のチケットの販売があったいりと、まさにお祭りという感じでした。来年は、ベートーヴェンイヤーということで、ベートーヴェンの交響曲を4つ取り上げるということです。さて、何番を取り上げるのか、各団が何番を演奏するのか非常に楽しみです。ついでに、私の誕生日が、4大オケの演奏会という日程まで決まっているというので、もう行かなきゃいけませんね。