企業ロゴ

参院選の前哨戦である都議選を振り返ると

1 冒頭、参議院議員大野泰正氏の言動は非常に残念だ

日本の政治、良くなってほしいと思うところですが、残念ながら地元岐阜の参議院議員の大野泰正氏は、公選法違反で起訴されました。今回の参議院選には出馬せずということです。ご自身の違反行為について、何ら釈明をせず、詫びることもなく説明をすることもせずというのが本当に残念です。私としては、大野氏を信用して投票してきたのに裏切られた気持ちです。違反行為をしたと起訴されながらも、自民党を離党しただけで、議員辞職もせず活動したのも理解できません。ご自身が、潔白だというのならば、きちんと弁明する記者会見を開くべきでしょう。いわゆる裏金問題、これで幕引きなんてとんでもないことであると思います。政治は、きちんとルールを守ってやってほしいところです。

さて、私は「政治」ウオッチャーとして世論調査があれば、きっちりと読みますし、それに対する各種意見をYouTubeで観ております。もちろん、投票結果などもじっくり見ます。かなり言われていることだらけかもしれませんが、私の意見を書かせていただきます。

私は、36年前の1989年の日本社会党おたかさんブームだった時に、中央大学在学中で、東京にて「都議選」と「参院選」の投票を経験しました。都議選の勢いそのままに参議院選が戦われました。それを踏まえると、同じ流れであるように思います。

2.自民が第一党から転落するのは、自然なこと、過去最低の議席数でも驚きはない。

裏金問題に対して、十分な抑止策を法制化しませんでした。自民党は、どこを見て政治をやっているのか、もう有権者に見破られてきたのではないでしょうか。「物価上昇」、「税金増」、「社会保険料増」という納税者の痛みに目を背け、減税は一切阻止という姿勢をとり続けているように見えます。昨年の12月に自民、公明、国民での幹事長合意はどうなったのでしょうか。いまだにガソリン税の「暫定税率」を廃止できません。それどころか、最終盤国会で、暫定税率の廃止の採決をせずに、廃止にしました。国民との約束を守る努力をしていないと映ります。小泉農水相のコメ放出をマスコミが騒ぎましたが、こんなもの、前の大臣が怠慢だったとしか思えません。小泉氏が、優れているのではないでしょう。きわめつけは、国民1人2万円の給付金でしょう。税収上振れで可能?であれば、ガソリン税の方を先やるべきじゃないですか。基礎控除もっと所得制限なく引き上げられるでしょう。公約「ルールを守る」という当たり前の事すら、できないのです。安倍総理の頃は、こんなにできない自民党ではなかったと思います。

3.石丸氏の新党「再生の道」、何をしたいのかよくわからない

都知事選で、小池氏に次ぐ得票を獲得した石丸信二氏による新党は、都議選に42人も擁立したものの、一人も当選できませんでした。石丸氏には、都議選をきっかけに大いに注目をして期待していたのですが、ちょっと残念な感じになってしまいました。まず、首をひねるのが石丸氏が、今回の結果に納得していると語ったことです。「擁立する」のに意味がある?いや、それは違うでしょう。出馬するからには、絶対当選するということで、挑むのではないでしょうか。元都知事の舛添氏も語っていますが、再生の道は、政党としての体をなしていないと。その通りであると思います。「政策がない」というのでは、有権者は投票という行動を起こしにくいものでしょう。党の代表が、現職の政治家でないというのも、理解しがたいですね。石丸さんも出馬して、一緒に盛り上げるべきだったのではないですかね。当選を目指さない選挙に、多くの候補を立候補させるというのは、立候補して当選し、都のため働こうと思っている候補者にも失礼なことではないでしょうか。石丸氏に、苦言を呈する選挙参謀はいないのでしょうか。一つの選挙区に一人と決めれば、当選した人もいたかもしれません。今回の選挙戦で、石丸氏は、政治家としての評価を下げたのではないでしょうか。

4.衆院選のブーム「国民民主」は、落ち着きいたが、「安定的な支持」を確保しつつある

山尾氏などの公認問題で、支持を一時よりも落としたものの、「手取りを増やす」はまだ生きている。同じフレーズを強調して、安心感を感じさせてくれる存在になっているのだろう。一定の支持を集める安定した政党になっているように思います。「103万の壁」、「暫定税率」の問題提起をした政党であり、完全に公約を実現できたわけではないが、実現に向けて着実に努力しているように見える化していることが、支持を安定させている要因ではないでしょうか。

5.公明、共産の支持者は高齢化し、今回の参議選も伸長は期待薄だろうと思える。

一定の強い支持者に支えられているのですが、支持者の広がりを欠いているように思います。おそらく、組織の高齢化で、機動力も落ちてきたのではないでしょうか。あと、機関紙が、時代遅れであると、読者が減っているのも大きいと思います。

6.参政党は、地道に着実に伸ばしてきている印象である。ネット、リアルとバランスよく露出していると感じられる。

立憲民主は、自民に対しての反対票が流れる先なのでしょう。都民ファーストは、小池都知事がバックにいるのが大きいのでしょう。都民に投票した有権者は、さて参院選でどこに投票するのか、これも大いに注目されるところです。