中学の頃は、近くのレコードショップで、安めの1300円のLPを注文して購入するのが楽しみでした。なぜ安いのかというと、新譜でなく、録音年代が1960年代であったからです。私の中学時代だと1980年代前半。「デジタル」録音が広まってくる時代でした。最新のデジタル録音されたLPレコードは、1枚3000円しました。交響曲で、演奏時間が1時間30分以上というようなマーラーの作品などは、2枚組で5000円以上したので、購入するのは勇気が要りました。
当時のLPですと、マーラーの交響曲第二番、第三番は、全曲を聴くのに、途中で席を立って、LPを表面から、裏面にして、終わったら、2枚目にして、表面をまず聴いて、終わると裏にして聴くということが必要で、3度席を立たないといけませんでした。大学のころになると、CDが登場しました。1990年代前半です。楽になったものだと思ったものです。ところが、同じ交響曲も、1枚では収まり切りません。1枚目から2枚目に変える手間はまだ残りました。
ところが、最近では、インターネットで音楽がいくらでも聴けるという時代になりました。データ量が圧縮されても、さほど音が悪く感じません。ベルリンフィルの演奏が、インターネットでいつでもどこにいても聴いていられます。しかも、一月2500円程度の金額で聴き放題というわけです。ほんとうに手軽に音楽を楽しめる良い時代になったなあと感じさせてくれます。
ベルリン・フィル、多くの人々が、「生で一度聴くとすごさがわかる、ぜひ生で聴いたほうがいい」と言います。画像を見ていると、管楽器のソロが本当にスーパースターばかりが集まっているという感じがします。フルートのパユ氏。名古屋フィルにソリストとして登場してくれたのですが、この人の奏でる音の美しさ、優雅さに魅了されっぱなしでした。ホルンのドール氏の音、生ではまだ聴いていないので、芳醇な音色をぜひ聴いてみたいと思わされます。そして、真のべルリン・フィルのすごさは、それぞれの指揮者の個性を十分に引き出してくれる柔軟性も持ち合わせた楽団であることではないかなあ。
2025年は、二度にわたって来日が予定されているのです。一度は、7月にドゥダメル氏とともに来日し、大阪、名古屋、河口湖で講演するのです。南米出身のドゥダメル氏の情熱のタクト、ラテン系の血沸きあがるサウンドを体感してみたいものです。秋の公演は、芸術監督ペトレンコ氏のタクト。56年生きているが、人生初のベルリン・フィルの生サウンド体験、来年こそはしてみたいと思っています。
「生演奏」は、けた外れに高い料金のようで、通常のオーケストラコンサートが10回行けるくらいの値段ですね。10倍の感動があるかどうなのか、確かめたいです。