私の三男が、来春「大学受験」ということで、この1年は演奏会に出かけたり、趣味の遠出は控えますと以前宣言しました。
好きなことをしばらく断つ前に3月は、2回演奏会に出かけてきました。いずれも、半年以上前から待ちに待ったプログラムでしたから。演奏者の魅力、曲目の魅力とも私にとって思いは大きいものでしたし。
3月24日の名古屋フィルハーモニーの市民会館名曲シリーズですが、イタリアの作曲家レスピーギの名曲を名古屋フィルのシェフ(音楽監督)川瀬氏が指揮するもの。これと同じプログラムをその翌日にも東京でも披露するということで、非常に大事な公演ではなかったかと思います。それとともに、名フィルの公式プログラムでは、年度最後の公演でもありました。
以前の市民会館名曲シリーズで、レスピーギのシバの女王という曲を演奏したのですが、その時にローマの三部作を取り上げて欲しいですと、ツイッターに投稿したところ、事務局からの返答がきて、ローマ三部作を聴いていただける機会を用意していますので、お待ちくださいというような返答であったと思います。ようやく念願かなってという感じがしました。しかも、ローマ三部作を全部やってくださると。一度にこの三作を聴けるとは、なんて贅沢なというところでしょう。CDでは、いくつか出ているのですが、実際の演奏会では、一度「ローマの松」の吹奏楽バージョンを聴いただけでした。三作の中では、「ローマの松」が一番人気だからでしょうか。
しかし、私にとっての思い出の曲は、「ローマの祭り」です。中学の時に、吹奏楽コンクールで演奏した曲でした。全曲ではなく、金管楽器が華やかに活躍する冒頭と終曲部分でした。何度レコードプレーヤーでプロの管弦楽演奏を聴いたことでしょうか。技術的には難しい曲であると思うのですが、比較的分かりやすい曲であるように思いました。
さて、「ローマの噴水」から。清らかな水をイメージできる音色が美しい。どちらかというと全般的にはおとなしめな曲なので、観客からの反応は静かな雰囲気。終わり方も、静かだからでしょう。次が、もっとも演奏される「ローマの松」。大編成の管弦楽からの圧倒的な迫力ある音に酔わされる。舞台右側花道のラッパ隊が華々しく、低音が支えている感じもまた素晴らしい。当然のように割れんばかりの拍手がわきあがりました。
休憩後の「ローマの祭り」。これがまた、大変な熱演で、心を揺さぶられた。松に引き続き、祭りの冒頭でもラッパの別動隊が、ファンファーレを吹くのですが、ステージから近い席で、左右からの挟み撃ち的な音響で、ステージ上の管弦楽が消されてしまうかのようなバランスであるほど。川瀬監督は、ゆったりしたテンポの楽章と、リズミカルで躍動的な楽章の対比を見事にコントロールされていて、印象深かった。とりわけ、最終楽章の圧倒的な盛り上がり方でしょう。相当の速いテンポで、踊りながら煽りまくる川瀬監督の指揮に、この曲と川瀬監督の相性の良さを感じさせた。
終演後、長年コンサートマスターを務められた日比さんの引退式のようなセレモニーが。何度も日比さんの雄姿を見てきたので、これから出演されないとなると寂しい気がします。3月は、別れの季節というのを感じられますね。日比さんとともに観客も一緒に写真を撮りましょうということで、立って写真撮影に加われたのは思い出になりました。最後まで癒し系キャラの日比さんだなあと思えました。
名フィル演奏会は、この1年で6回行ったかな。やはり、プロの演奏を近くで聴けるのは気持ちいい。次、名フィルを聴けるのは1年後になるのか、まあ、それまではCDなどで我慢かな。