私は、右脳被殻出血による後遺症(いわゆる脳血管疾患)で、左腕と左脚がうまく動かすことができません。
動かせないことが原因でしょうか、かなりいろんな場所がこり固まってしまいます。それをほぐすために、原則的には週二度、理学療法士によるマッサージ受診、筋肉維持のためのトレーニングなどをリハビリ施設で受けています。いわゆる「通所リハ」というものですね。「介護保険」を利用してのリハビリで、非常に軽い負担でリハビリをさせていただいているので、ぜいたくは言ってはいけないと思うのですが、ずいぶん担当の理学療法士さんによって感じ方が違うものです。
まして、身体に触れられる施術ですから、心を開きつつ施術を受けるのと、心を閉ざしつつ受けるのでは大違いではないかと思います。リハビリにかかわっていただいた担当は、10人近くにはなると思いますが、今日はこの人かあ、うれしいなと思える人と、ああ、この人か嫌だなと思う人二通りあるのですよね。
人それぞれ、感じ方には違いはあると思うのですが、私の場合は、一方的に自分のことをしゃべる人のことについては好きになれませんでした。一方的にしゃべるとは言っても、エンターテイメント感のある楽しい軽快なしゃべりだったら良いのかもしれませんが、テンポも悪い、歯切れも悪い、しゃべる内容も私の関心に寄り添っていない人には全く好感が持てません。
このような話は、本人に対してしにくいものですし、上司に告げ口するのも勇気のいることですよね。結局、このことは、自分のなかにおさめてしゃべりませんでした。そうしていたところ、本人が退職するというので、代わってくださいという手間もなく、結果的にその担当者とは離れることになりました。退職しますと告げられた時に、まったく「残念」という感情がわかなかったのですよね。これって、担当者側からすると残念なことではないでしょうか。それって、自分の仕事が認められていないってことですからね。
一方で、今日はこの人が担当だとなって、喜べる時もあります。その理学療法士さんは、とても会話のキャッチボールがうまいなあと感じます。もちろん、明るく元気さも感じられます。ちゃーんと、私を見てくれているなあという感触があります。良く会話の内容を覚えています。私の返答に対しても、気の利いた答えが返ってくるのですよね。うーん、また会いたいって思わせてくれる人ですね。
会計事務所の職員も同じではないでしょうか。きちんとお客様に向き合って、お客様の悩みを引き出す、苦しさをさらけ出せる雰囲気を作る、上手く税務会計の仕組みを説明できる、お客さんの意向を受けてきちんと返答できるという資質が求められていると思います。ただ単に、帳簿を見て、証拠を確認するというだけでは、真のお客様に対するお役立ちはできないと思うのです。
理学療法士さんは、利用者個々の体に向き合っているだけではなく、利用者の感情にきちんと寄り添える担当が強いのであると思います。一方で、税理士事務所職員も、知識をつけてお客様に指導できるだけでは半人前、いかに寄り添いお客様の経営に伴走できるかが求めらていると考えます。単に帳面と税務よりも、その背後にある人の感情がわかる、経営がわかることが求められている、そこに応えていくのが、税理士事務所の価値であると強く思います。