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江ノ電と湘南

藤沢駅の北口にあるホテルに宿泊したのですが、藤沢駅は北口も南口もともに大きくて、前日11月3日によくホテルの位置をたしかめなかったせいで南口をぐるぐると周ってしまいました。藤沢駅のようなターミナル駅は、ペデストリアンデッキで結ばれている場合が多く、立体的になっている場合が多くあります。そんな構造ですと足の悪い私は一苦労するのです。とりわけ、迷ってしまうと階段を上り下りして悪戦苦闘しました。結局は、北口というのが正しかったのですが、北口からホテルのルートはなんてシンプルなこと。きちんと調べないといけませんね。スマホで検索すればいいとはいえ、スマホの地図表記は、立体的になっている場所は苦手なようです。

藤沢駅はターミナルと言いましたが、JR東日本は「東海道線」だけですが、私鉄の「小田急線」が、新宿までつながっていて、「急行新宿行き」というのが見られます。もちろん、小田原へも小田急線で行けますが、さすがにそのような迂回をする人は時間がある人、小田急線が大好きな人に限られるでしょう。なんといっても、乗り換えが必要ですし、迂回しているので運賃も余計にかかってしまいます。小田原へは、東海道線で行くのが当たり前ですね。その先、「箱根、熱海、伊豆」へも東海道線です。藤沢、小田原はリゾート地への玄関口という機能を持っていそうです。そう、新宿へは、JR東日本のみでも行けますが、小田急とどちらを使う?という問題が出てきそうですね。時間があるならば、比較して楽しむのもよさそうに感じました。私は、小田急が好きなので、藤沢から新宿であれば、小田急です。私の大学在学中は小田急はとても遅い電車でしたが、世田谷区内がほぼ複々線となったので、ノロノロ運転が解消されたようです。そんな進化をみてみたいところです。

そうです、忘れてはいけないのが、藤沢最大の名所は「江の島」なのですよね。藤沢駅より小田急線でも行けますし、小田急の駅の方が、江の島に若干近いのですが、もう一つが、よく映画でも撮影されている江ノ島電鉄線(江ノ電)です。藤沢より江の島の入り口を通って鎌倉まで結ぶ路線です。この江ノ電があるのは、藤沢駅の南口でした。小田急とJRは、橋上駅舎で地上にレールが並んでいますが、江ノ電は二階が発車ホームでした。朝早く7時前に江ノ電の藤沢駅で、江ノ電1日フリーきっぷを購入して、江の島、鎌倉を楽しんでから横浜でのコンサートを楽しんだのち帰路に就くことに。11月4日、雨の心配も全く要らない三連休中日でした。

江ノ電は、藤沢から鎌倉をゆっくりと住宅街をぬって走り抜けるような鉄道。短い路線でありながら、江の島と鎌倉という有名な観光名所を結んでいるので、首都圏在住の方には有名なミニ鉄道だと思います。途中に太平洋がじっくりと眺められる路線でもあり、その美しい景観を堪能するため乗車するだけでもその価値があります。東海道線でも、比較的近くの小田原近郊で海と並走するところはありますが、ここは趣が違います。電車と海が一体になっているかのような近さでゆったり走ってくれるのがいいのです。そして、鎌倉から藤沢へ向かう途中に海に突き出す江の島がだんだん近くになってくるのが眺められます。

ゆったりと時間が流れるような感覚を味わいに湘南で江ノ電に乗るというのもありです。沿線には、日本とはどこか違うのではと思えるような雰囲気の海の家?も多く建っています。大きなリゾートホテルが見られないものも雰囲気があって良いでしょう。そして、電鉄側の営業努力も見逃せないです。主要な駅の駅舎は、どこもその土地の雰囲気に合わせたものになっているし、駅名標の文字が、ゴシック体とか明朝でなく、雰囲気のある文字を使っていたり、方向字幕についても、単に「藤沢」「鎌倉」だけでなく装飾が施されているのです。それがなんともキュートです。そう、最大3両編成で走るミニ鉄道なのは、途中で車道を走るからでしょう。路面電車の区間も存在するのも魅力の一つでしょう。電子決済にも対応してくれて、比較的多くの駅係員を配置して、ほぼ座席が乗客でうまるくらいに利用されている江ノ電、首都圏の有名な観光地ということで多くの外国人観光客も乗車していました。都会の通勤電車にはないローカル感ですからね、乗る価値は大いにあるものです。急いで観光したい人には向かないでしょうけれど。

鉄道を撮影する「撮り鉄」を趣味にする人には、大変愛される鉄道でしょう。以前、揖斐には「名鉄谷汲線」というのがあり、「赤い電車と谷汲の自然」をともに撮影して楽しんだ人もおられましたが、残念ながら「旧谷汲駅」に電車が置かれるのみとなっています。江ノ電のカラーと街、あるいは海とのコントラストが素晴らしいのです。映画で見たあのシーンに出会う旅でもありました。