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異次元の少子化対策って本当か?

岸田政権、いよいよ末期症状化というくらい支持率が下がり、政権崩壊の危険水位であると報道されています。相次ぐ政治資金規正法違反による大臣辞任とともに、気になるのが「異次元の少子化対策」と銘打って出される対策に対して批判が集中したことには大いに関心を持っています。

私の出身小学校は、明治から続く揖斐小学校。そこを卒業したのが、1980年(昭和55年)です。ちょうど高度経済成長期も終わりを迎えて、やや経済成長が鈍化しつつある時でした。その頃って、太平洋戦争(大東亜戦争)の敗戦から35年です。さらに1980年から現在まで40年以上も経過しているのです。大きく時代は変わったものだと思うのが、小学生の人数です。私たちの頃だと同じ学年で、100人程度がいました。学級も3つに分かれていました。学年に少年野球に入る子は、二桁いました。当然ながら、女子は入っていませんでした。中学の時にようやく女子にソフトボール部ができた頃であったと思います。ずっと子どもの数が今よりも多くいました。我が家の長男が、小学校を出て12年、長男の頃は2クラスあったのが、1学年で1クラスが当たり前となりました。揖斐小学校は、1学年ようやく2桁程度なのですね。私たちの頃の5分の1というわけです。日本の将来をさらに先取りしているかのような地域だと思います。

児童数が減りましたが、先生の数はそこまで著しい減少にはなっていないのではないでしょうか。先生一人当たりの児童数もまた大きく減っているのではないでしょうか。主担任のほかに副担任がいるのは当たり前のことであるという感覚です。非常に手厚く指導ができる体制になってきたのではないでしょうか。親にとっても、以前は3歳になったら医療費がかかってくるというのが常識であったのが、あっという間にそれが、小学校まで中学まで高校卒業までと拡大していき、子どもは無料で医者にかかれるのは当然になりました。大人が、医療費1割負担から3割負担へとどんどん負担を増やされたのとは真逆です。揖斐川町に至っては、前町長の公約として、「給食」「修学旅行」の無償化があり、それが継続されています。子育てに対する経済的支援、援助が拡大されているのはいいです。しかし、実際に少子化対策になっているのか、もっと根本に「子どもを持たない理由」はあるのではないかと思えます。

「家庭より仕事」をとる女性が増えていることも一因であるのではないかと思えますし、十分に所得がなくて「結婚できない」男性も多いのではないかと推測できます。平成になって広がった人件費カットによるコストカット。これも大きな原因ではないかと言われます。やはり、昔はよく言われた「日本はオール中流階級」というのが、変化して、「貧富の格差問題」「二極化」が言われ始めたことも、少子化の要因でしょう。今は、子育てについては、両親の肩にぐんと重荷が乗っているという構造的な問題もあるのかもしれません。ある資料によると、「結婚したら子どもを持つべき」という質問に対する答えとして、そのとおりであると答えたのは、男性55%、女性36%であると。うーん、そうなんですね。子どもを産み育てるという意識が希薄化しているのですね。その意識を変革しないことには、少子化対策が実を結ばないのではないでしょうか。