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「あんぱん」も見納めかあ

この半年、ずっと連続テレビ小説「あんぱん」を見続けました。飽きもせず、ずっと見ていられました。

名セリフのオンパレードでセリフに心打たれたことの何度あっただろうか。人が発する「言葉」の重要さ、とともにそのセリフを発する際の表情、声色なども重要な要素であると思わされます。そう考えると、やはり登場する姪俳優陣の演技の重要性は、非常に高いと思いました。

登場人物として、主役2人。やないたかし役の北村匠海さん、その妻である暢(のぶ)役の今田美桜さんには、心からの大拍手だなあと。アンパンマンを生み出したたかしさんを支え切っている暢ちゃん。うーん、やっぱり今田さんの明るく快活な笑顔、活発に走り回る姿がこのドラマの華なのかもしれません。このドラマを見ると、一日元気が出るなあと感じさせてくれる、そんな今田さんの演技に、心躍らされる思いがしました。たかし役の北村さん。イケメン俳優として、確固たる地位を築いていると思うのですが、若干地味な感じのキャラクターでしたね。その分、暢ちゃんが引き立っていたのかもしれません。

数多くのキャラクターが登場するので、全部を評するのはしませんけど、印象に残ったのは、パンを焼く阿部サダヲさん演じる「やむおんちゃん」は、とてもコミカルな役。彼が焼くあんぱん食べてみたいと思わせてくれました。アンパンマンのジャムおじさんのモデルみたいですね。「あんぱん」、25年上半期にはよく売れたのではないでしょうか。若手俳優高橋文哉さん演じるたかしの親友「けんちゃん」も、好きなキャラクターです。たかしとの出会いもまた強烈なインパクトでしたが、暢ちゃんの妹妻メイ子との喫茶店での愛を確かめ合うシーンが、うーん良かった、胸キュンでした。時折出てくるたかしさんのお母さん役松嶋菜々子さん。やっぱりきれいで、貴婦人。存在感があるなあ、マイペースで、たかしさんを愛しているのだけれど、すれ違う親子感が、このドラマに一つの香辛料を交えているかのような印象を与えてくれます。そして妻夫木聡演じる八木さん。どこまでも、陰ながらにたかしの後援者となってくれるが、どことなく冷めたように見える存在として描かれています。やはり妻夫木さんの存在感もとてつもなく大きく感じます。再登場の際の喜びが、私の中では非常に大きかったんです。かっこいいおじさんになられたなあと思わされます。

登場人物は、ドラマの進行とともに年齢を重ねていくのですが、同じ人が演じているんですよね。その老けメイクも楽しく見させていただきました。ずいぶんと白髪が増えてとか、動きがゆっくりしてきたとか、そのあたりも気にしながら作られているのでしょう。やはり、年を取っていくリアル感を出す、時間の流れを出さないとということでしょう。

連続テレビ小説というと、付き物なのが「挿入歌」ですね。今回の音楽は、ラッドウィンプスが演奏していますが、賛否分かれる感じはしますが、私は「君の名は。」の時からのファンで、音楽の疾走感と、野田洋次郎さんの透明感ある歌声が好きです。現代的な感じがして良いではないですか。

いずれにせよ、「逆転しない正義」を求め続けて、歩み続けた「たかしさん」と「暢ちゃん」の物語である「あんぱん」も終着駅に着こうとしています。ですが、「それゆけ!アンパンマン」という作品、マーチに、ドラマ「あんぱん」でたびたび出てくる土佐ことば「はちきん」「たまるかあ」は、残ってほしいなあと思いました。