これも一つの政治団体のひとつの「在り方」。賛否は、どちらともいえません。しかし、非常に独自性があって面白いとは思うものの、政治団体の綱領の斬新さについていけない自分がいました。それにしても、既存の政党とは一線を画していますね。
昨年の東京都知事選で、大きな話題になった石丸伸二氏。安芸高田市長を辞しての挑戦でしたが、既存の政治を改めるということに共感して投票した人も多いことでしょう。そして、弁舌さわやか、ルックスもスリムな体型で、見栄えがする。ちょっと、既存のメディアに対しての発言はきついと思わせるところもあるものの、「理路整然」としていて、主張されることも一理あると感じさせられます。
この政治団体「再生の道」の綱領が、なんと同政治団体からの出馬は、「2期8年に限られる」ということ。それによって、みずから都知事選に立候補した際に主張していたのが、「政治屋の排除」。なるほど、そうなれば、各種団体、業者との癒着は、なくなるだろうな。自らの政治的信念が、支援者によってゆがめられることはないだろうなと感じました。衆議院議員であると、多選を重ねるにつれて、特定の支持母体に向けての政治が行われやすくなってしまう。それによって、政治に緊張感が失われてしまうと感じます。
一方で、議会の議決に際して、「党としての拘束」はないというのですが、さてそのようなことでは、政党としての体をなさないのではと思います。同じ考え方、政策の下で結集するのが政党だと思うのですが、石丸さんの「再生の道」は、政党と呼称するのは、ちょっと違っているのではないかと思わされました。「再生の道」としての基本的な「街づくりの基本的な考え方」というのは、必要なのではないか、議案に賛否を表明するのに、各議員の裁量にゆだねるばかりで、党としての「統一感」がなくて良いのか、しがらみのない政治をしていこうという思想だけを旗印に議員が一致団結できるものだろうか、疑問に思いました。
さらに異色であるのが、この「再生の道」という政党より立候補する「候補者選考」の方法が、まるで就職試験のようだと思うことでした。書類選考→ペーパー試験→面接ですと。誰でも応募してよいですと。ここからは、「公職の方」だからでしょう。面接までたどりついた選考者については氏名が、ネット上に公開され、面接は石丸氏が直接行い、その動画が公開されるというのです。面接までたどり着いた候補者は、それなりに世間的評価が与えられるだろうと自信を持って発言する石丸氏の様子に、堂々とした風格を感じさせられました。自らが党首であり、自らの基準で、選考ということですね。
おーなるほどと思わされたのは、東京都議会2期8年を務められた後の進路に関しての言及でした。都議の経験8年を生かして、次の経歴は自由であるが、例えば、市長などの首長になる、他の議会議員となる、復職して元の職場に戻るなどを想定しているという話をされました。議員の経験を次から次に他の地方自治体、国へと広げていきたいと。まずは、日本の首都から、既存の政治を変えようという意気込みが伝わってくるようでした。
さて、今週末は、岐阜県知事選の用開票がありますね。長年知事を務められた古田肇知事が勇退されることになり、新知事のもと、県政がどのように新しく変わっていくのか、それとも、古田県政からは大きく変わらないのか、関心をもって見ていくべきだと思います。「県政」というのは、身近ではないように思うので、より県民の声が反映される県政にはなってほしいと思います。